多汗症のプロバンサイン治療とは 

抗コリン剤の飲み薬。
神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻害します。
アセチルコリンは汗腺から発汗を誘発すると考えられており、本剤は多汗症の原因となるエクリン汗腺のムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制します。
 

 日本皮膚科学会ガイドライン

推奨度

ワキ(推奨度C1~C2)

手足(推奨度C1)

頭部顔面(推奨度B~C1)

解説

塗り薬、イオントフォレーシス、ボトックス治療が無効の時に行う治療。

頭部顔面の多汗症では、有効な治療選択肢が少ないため最初から行うことがある。

 

 アメリカの多汗症センターからの非外科的手術治療のまとめ

推奨度

他の治療が無効なときに試みる。

解説

多汗症の非外科的治療には、塩化アルミニウム外用、イオントフォレーシス治療、ボツリヌストキシン注射治療、抗コリン薬などの飲み薬治療がある。

塗り薬は、全ての部位で第1選択肢になりうる。

手足の多汗症は、イオントフォレーシスが有効である。

ワキの多汗症は、ボツリヌストキシン注射が第1選択肢になりうる。

いずれの治療も無効の時、抗コリン薬内服治療は試みるべき治療である。

 

使い方

1回1錠、1日3回経口投与します。
効果はすぐに実感できることが多いです。
副作用に注意しながら、治療を継続します。
 

使用できない方

使用できない方

閉塞性隅角緑内障の方
閉塞性隅角緑内障の方は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化する可能性がある。
前立腺肥大による排尿障害がある方
抗コリン作用により、交感神経が優位になり、膀胱括約筋収縮・排尿筋弛緩のため、排尿障害が悪化する可能性がある。
重篤な心疾患がある方
交感神経が優位になることで、心臓の心収縮力増加、心拍数増加、刺激伝達速度促進など心臓の活動性を高める。
不整脈などの重篤な心疾患がある患者は、その症状が悪化する可能性がある。
麻痺性腸閉塞があるかた。
腸管の運動機能を抑制するため、胃潰瘍や腸炎の治療としても使われる。
腸閉塞があると、その症状が悪化する可能性がある。
 

使用に注意が必要な方

前立腺肥大の患者
前立腺肥大患者では排尿障害をきたしていない場合でも、抗コリン剤の投与により排尿障害を引き起こすことがある。
甲状腺機能亢進症、うっ血性心不全、不整脈のある患者
交感神経が優位にたち、心拍数が増加する可能性がある。
潰瘍性大腸炎のある患者
腸管運動抑により、中毒性巨大結腸を誘発する場合がある。
開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
高温環境にある患者
高温環境下では、発汗に伴う体温の放散が体温調節に重要な役割を演じている。
発汗は副交感神経の興奮により促進される。
抗コリン作用で発汗抑制されることが、重篤な場合は熱射病へ進展する可能性がある。
高齢者
高齢者は、抗コリン作用による眼の調節障害、口渇、便秘、排尿障害等があらわれやすい。
 

副作用

重大な副作用

該当資料無し
 

その他の副作用

頻度の高いものとして、
口の渇き(37.3%)
便秘(16.8%)
排尿障害(16.5%)
眼調節障害(8.6%)
 

 

飲み合わせの注意

同時使用禁止の薬剤

無し
 

同時使用注意の薬剤

三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチン)
本剤の作用が増強する可能性があるので用量を調節するなど注意する。
フェノチアジン系薬剤(プロクロルペラジン、クロルプロマジン、ジエチルペラジンなど)
本剤の作用が増強する可能性があるので用量を調節するなど注意する。
モノアミン酸化酵素阻害剤
本剤の作用が増強する可能性があるので用量を調節するなど注意する。
ジゴキシン、メチルジゴキシン
ジゴキシン、メチルジゴキシンの作用が増強する可能性があるので、慎重に使用する。