原発性局所多汗症とは
原発性局所多汗症
原発性局所多汗症は、手のひら、足の裏、脇に多く生じます。
遺伝的要因が関係していることや、緊張や運動で増悪することが知られていますが、はっきりと解明されてはいません。
診断基準
原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続していることに加え、
以下の6項目中2項目以上を満たす。
両側性かつ左右対称性に多汗がみられる
多汗によって日常生活に支障が生じている
週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる
25歳未満で発症した
家族歴がある
睡眠時は局所性の発汗がみられない
Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)による重症度判定
3および4は重症多汗症と判定されます。
発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある
治療
当院では、日本皮膚科学会のガイドラインに準じて治療方針を決めております。
しかし、ガイドラインは2015年のものです。
新しい治療法についても補足して、部位別に治療法をご説明します。
(※当院で実施できない治療法についてもご紹介しています。)
ワキの治療

塩化アルミニウム外用 | 当院で可能 第1選択治療の一つです。 |
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エクロックゲル | 当院で可能(保険診療) 第1選択治療の一つです。 |
ボツリヌス・トキシン注射 | 当院で2021年4月より可能 第1選択治療が無効なときに用います。 |
手術 | 基幹病院へ紹介します。 重症例実施されていましたが、最近はマイクロ波を用いた治療も広まっています。 長所:保険適応のため、マイクロ波治療と比べると安価です。1回で根治できます。 短所:傷が残ります。 |
マイクロ波 | 当院にはありません。 皮膚にマイクロ波を照射して、汗腺がある皮膚深層~脂肪組織の深さに熱を発生させて、汗腺を焼却・凝固する新しい治療法です。 手術にとって代わりつつあります。(機械名:ミラドライ®など) 長所:手術と比べると、傷が残らない・ダウンタイムが無い。根治可能。 短所:値段が高い。2回目が必要なこともある。 |
腋
💧
手の治療

塩化アルミニウム外用 | 当院で可能 第1選択治療であり、イオントフォレーシス治療と交互に繰り返すことも有効です。 |
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イオントフォレーシス | 当院で可能(保険診療) 第1選択治療であり、塩化アルミニウム外用と交互に繰り返すことも有効です。 |
ボツリヌス・トキシン注射 | 当院で2021年4月より可能 4-9カ月程度効果が持続するので、春にする方が増えます。。 |
手術 | 期間病院へ紹介します 他の治療抵抗性で、本人希望が強い場合。 |
手
✋
足の治療

塩化アルミニウム外用 | 当院で可能 第1選択治療であり、イオントフォレーシス治療と交互に繰り返すことも有効です。 |
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イオントフォレーシス | 当院で可能(保険診療) 第1選択治療であり、塩化アルミニウム外用と交互に繰り返すことも有効です。 |
ボツリヌス・トキシン注射 | 当院で2021年4月より可能 |
足
👣
顔面の治療

内服治療 | 当院で可能(保険診療) 抗コリン薬(プロバンサイン)が多汗症治療に唯一保険適応があります。 脇や手足だと他の治療の補助治療ですが、顔面だと第1選択になります。 |
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塩化アルミニウム外用 | 当院で可能 |
ボツリヌス・トキシン注射 | 当院で2021年4月より可能 |