ニキビのイソトレチノイン治療とは

ビタミンAに似たレチノイドと呼ばれるグループに属する薬です。
商品名ではロアキュテイン、イソトロイン、アクネトレントなどがあります。
「皮脂分泌を抑制」「角化の正常化による毛穴づまりの改善」「抗炎症作用」があり、重症ニキビ治療に有効です。
海外では、ニキビの治療ガイドラインで中等度~重症のニキビ治療に強く推奨されており、アメリカ・イギリスなどをはじめ多くの国で承認されています。
日本では、現在は未承認であるため自費診療となります。
 

イソトレチノイン治療の対象になる方

  • 保険のニキビ治療で、改善しない方。(間違った使い方をされている方が多いため、イソトレチノイン治療希望で受診された患者様にも、保険のニキビ薬の正しい使い方をご説明させていただいています。)
  • ホルモン治療、スピロノラクトン治療で改善しない方。
  • ボコボコした塊、膿が溜まりやすい中等症~重症ニキビの方。

当院では、ニキビの治療ガイドライン(日本、海外)を順守したエビデンスに基づいた診療を行っています。
「ニキビ」の治療で、上記に当てはまる時はイソトレチノイン治療をご紹介しています。
「ニキビ跡」の治療には、レーザー治療を行っています。

 

イソトレチノインの効果

米国皮膚科学会ガイドライン(2016年度)

  • 米国では、1982年にニキビ治療薬として承認されている。
  • ほとんどすべての重症ニキビ治療に成功することが証明されている。
  • 重症ニキビの第一選択治療である。
  • 治療抵抗性の中等症ニキビにも効果的に使用されている。
  • 催奇形性があるため、厳格な避妊が重要。

 

低用量イソトレチノインによる中等度ニキビ患者638名の研究

  • 中等度ニキビ患者さん638名を、イソトレチノイン1日20㎎で6カ月治療した。
  • 12〜20歳の患者の94.8%、21〜35歳の患者の92.6%のニキビが治癒した。
  • 4年間の追跡期間中に、にきびの再発は、12〜20歳の患者の3.9%および21〜35歳の患者の5.9%だった。
  • 主な副作用は、血液検査での軽度の脂質レベルの上昇4.2%、軽度の肝機能異常が4.8%。

 

イソトレチノイン治療1クール後の179名の3年間追跡調査研究

  • 35%:再発がみらなかった。
  • 16%:塗り薬治療で、再発ニキビをコントロール出来た。
  • 27%:抗生剤内服治療で、再発ニキビをコントロール出来た。
  • 23%:イソトレチノインの再投与が必要な重症度の再発がみられた。

 

イソトレチノイン治療の再発に関する研究

  • 1日0.5mg/kgの投与で再発率39%、1日1mg/kgの投与で再発率22%と有意差があった。
  • 1クールの投与量が120mg/kg未満で再発率82%、120mg/kg以上の場合は30%と有意差があった。(体重60㎏、治療期間6カ月間とすると、120㎎/kg以上になるための1日内服量は40mg以上です。)
  • 1日の投与量が十分では無いと、再発率が高くなる。
  • 期間中の総投与量が少ないと、再発率が高くなる。
  • 治療がうまく行った時に早期治療終了すると、再発率が高くなるかもしれない。
  • 断続的な治療(飲んだり飲まなかったりする日がある)は再発率を高くなる。

 

イソトレチノインを使用できない方

妊娠中、妊娠の計画がある

  • 胎児の奇形を引き起こすリスクが高くなるため、内服中~内服後6ヶ月は避妊が必要です。
  • 大きな奇形が妊娠の初期(0~13週)の間にイソトレチノインの影響を受けた胎児の40%におこります。
  • 大人の女性には、安全性の高いニキビのホルモン治療もお勧めしています。
  • 男性も内服中~内服後6ヶ月は避妊が必要です。 
  • 内服中~内服後6ヶ月は献血が出来ません。

授乳中
成長期

  • 骨端線の閉鎖により身長が伸びにくくなる可能性があります。

イソトレチノイン製剤、ビタミンAのアレルギーがある。
テトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシン、ビブラマイシンなど)を使用中
重篤な肝障害、腎障害
重篤な高脂血症、高コレステロール血症がある。
ビタミンA過剰症
うつ病もしくはうつ気質
 

 イソトレチノインの副作用

副作用は用量が増えるほど起きやすくなります。
日本人は欧米人より少ない投与量で治療可能なことが多いため、副作用は起きにくくなっています。
副作用は早期に対応することで、すみやかに消退します。
副作用の確認のため、適宜採血検査を行います。
 

軽い副作用

下の副作用のいずれかが見られた場合は、医師に伝えてください。
これらの副作用は一般的に軽度で用量依存的なものです。用量を減らすかまたは使用を中止することにより、ほとんどの症状は数日から数週間で完全に消失します。

  • 口唇、口腔、鼻、眼および皮膚の乾燥(よく起こります)
  • 鼻出血(鼻粘膜の乾燥のため)
  • 骨、関節、筋肉の圧痛または硬直
  • 疲労
  • 頭痛
  • 日焼けをしやすい
  • 眼疾患

 

重い副作用

以下の副作用が現れた場合は、本剤の使用を中止し、医師に相談してください。
これらは重篤な副作用と考えられ、頻度は稀です。

  • 悪心
  • 嘔吐
  • 持続性の頭痛
  • 眼のかすみまたは視覚障害
  • うつ病(うつ病が改善する報告もあります)

 

治療の流れ

 20 ㎎から治療を始めます。(体格や重症度により、40~60㎎で開始することもあります)
 初期容量で効果がない場合は、投与量の増量、投与期間の延長が必要になります。

  • 治療開始 1 カ月間は、お薬の反応のために一時的なニキビの悪化をすることがあります。
  • 空腹時に薬を飲むと吸収が悪くなるため、「食事後」に飲みます。
  • 6 カ月を 1 クールとして治療を行います。治療期間を短くすると、再発率が高くなります。
  • 服用中~服用後 6カ月は、妊娠·授乳·献血をしないでください。

 

※イソトレチノイン治療について

未承認医薬品等
この治療で使用されるイソトレチノインは、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認薬です。
入手経度等
当院で使用しているイソトレチノインは、インドのシプラ社により製造されたものを当院で個人輸入しております。
個人輸入された医薬品等の使用リスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/healthhazard/
イソトレチノインの個人輸入についての厚生労働省の注意喚起は下記URLをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kojinyunyu/050609-1b.html
国内の承認医薬品の有無
イソトレチノインは、国内においては承認されていません。
諸外国における安全性などに係る情報
米国のFDA(アメリカ食品医薬品局)をはじめ、諸外国で承認されております。 

費用

 全て税込み価格です。

初診料

3,300円

再診料 

1,100円

検査料

1,650円

薬剤料

イソトレチノイン10㎎(30日分) 13,200円

イソトレチノイン20㎎(30日分) 19,800円 

 


WRITER 
うらた皮膚科 院長
日本皮膚科学会認定専門医