医療ダイエットで注目の「マンジャロ」とは?GIP/GLP-1受容体作動薬の基礎知識
近年、医療機関における肥満治療や、自由診療を中心とした医療ダイエットの領域において、極めて高い注目を集めているのが「マンジャロ(一般名:チルゼパチド)」と呼ばれる注射薬です。マンジャロは、元々は2型糖尿病の治療薬として開発・承認された医薬品ですが、臨床試験の段階からその圧倒的な体重減少効果が実証されており、現在では国内外の医療ダイエットにおいて非常に重要な治療の選択肢の一つとなっています。ここでは、マンジャロがどのような医薬品であるのか、その基本的なメカニズムについて詳しく解説いたします。
マンジャロの有効成分「チルゼパチド」が持つ革新的な作用メカニズム
マンジャロの有効成分である「チルゼパチド」は、世界で初めて開発された「持続性GIP/GLP-1受容体作動薬」です。私たちが食事を摂取すると、小腸から「インクレチン」と呼ばれる消化管ホルモンが分泌されます。インクレチンには主に「GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)」と「GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)」の2種類が存在し、これらは膵臓に働きかけてインスリンの分泌を促し、食後の血糖値を適切にコントロールする重要な役割を担っています。
マンジャロは、このGIPとGLP-1という2つのホルモン受容体の両方に対して同時に強く結合し、その働きを模倣するという革新的なメカニズムを持っています。2つの受容体に同時に作用することを「デュアルアゴニスト(二重作動薬)」と呼びます。単に血糖値を下げるだけでなく、脳の視床下部にある食欲中枢に直接働きかけて強い食欲抑制効果をもたらすとともに、胃のぜん動運動を緩やかにして食べたものを長く胃に留め、満腹感を持続させるという複数の経路からダイエット効果を発揮します。
同一成分の肥満症治療薬「ゼップバウンド」との違いと確かなエビデンス
マンジャロと同じ有効成分である「チルゼパチド」を用いた薬剤として、新しく「ゼップバウンド」という名前の注射薬が登場しています。ゼップバウンドは、厚生労働省から正式に「肥満症」の治療薬として承認を受けています。つまり、名前こそ異なりますが、マンジャロは国が肥満治療に有効であると認めた薬と全く同じ成分で作られているため、ダイエット効果に対する医学的なエビデンス(科学的根拠)がしっかりしていると言えます。
「では、なぜ当院ではゼップバウンドではなくマンジャロを採用しているのか?」と疑問に思われる患者様もいらっしゃるかもしれません。その理由は、当院が保険診療による治療ではなく、自費診療(自由診療)での医療ダイエットのみをご提供しているためです。ゼップバウンドもマンジャロも、中身の成分や期待できるダイエット効果は全く同じです。その前提に立ったとき、マンジャロはゼップバウンドが発売されるよりもずっと前からあり、ゼップバウンド発売以前より当院では肥満治療のために導入していました。それに対して、ゼップバウンドは新しい治療薬で、その名前を知っている患者様は殆どいらっしゃいません。
多くの患者様にとって「マンジャロ」という名前の方が馴染みがあり、より安心感を持って治療を始めていただけるという理由から、当院では引き続きマンジャロを採用しております。
従来のGLP-1受容体作動薬(オゼンピック等)との違いと優位性
医療ダイエットの分野では、マンジャロが登場する以前から「オゼンピック」や、その経口薬である「リベルサス」といったGLP-1受容体作動薬(有効成分:セマグルチド)が広く使用されてきました。従来のGLP-1受容体作動薬は、名前の通りGLP-1という1つのホルモン受容体のみに作用する「シングルアゴニスト」です。
一方でマンジャロは、GLP-1に加えてGIPの受容体にも作用する点が決定的な違いです。かつてGIPは、肥満を促進するホルモンではないかと考えられていた時期もありましたが、近年の医学研究により、GLP-1とGIPを同時に活性化させることで、食欲抑制効果が相乗的に高まるだけでなく、エネルギー代謝が改善し、脂肪細胞における脂質の分解が促進されることが明らかになりました。これにより、従来のGLP-1受容体作動薬を単独で使用した場合と比較して、マンジャロはより強力で持続的な減量効果をもたらすことが多くの医学的データによって裏付けられています。これまで他のダイエット薬で十分な効果が得られなかった患者様や、停滞期に悩まされていた方にとっても、マンジャロは強力なブレイクスルーとなる可能性を秘めています。
糖尿病治療から自由診療(医療ダイエット)へと応用される背景
日本国内において、マンジャロは「2型糖尿病」の治療薬として厚生労働省から製造販売承認を受けており、糖尿病患者様に対しては保険診療での処方が行われています。しかし、その優れた体重減少効果に着目し、現在では多くの美容クリニックや内科クリニックにおいて、肥満改善を目的とした「自由診療(保険適用外の全額自己負担)」による医療ダイエット薬としても広く処方されるようになりました。
この背景には、肥満が万病の元であり、医学的なアプローチを用いた確実な減量が求められている現代の社会情勢があります。特に、食事制限や過度な運動による従来型のダイエットは、患者様の身体的・精神的な負担が大きく、途中で挫折してしまったり、激しいリバウンドを引き起こしたりするケースが後を絶ちません。マンジャロは、脳の食欲コントロールシステムに直接介入することで、「我慢する」というストレスを最小限に抑えながら自然なアンダーカロリー(消費カロリーが摂取カロリーを上回る状態)を作り出すことができるため、医学的に理にかなった次世代のダイエット手法として、自由診療の枠組みで急速に普及しているのです。
マンジャロの医療ダイエットで期待できる3つの効果と身体への変化
マンジャロを用いた医療ダイエットは、単に一時的に体重の数値を減らすだけでなく、身体の内部から代謝メカニズムを改善し、長期的な健康維持に貢献する多角的な効果をもたらします。ここでは、患者様がマンジャロによる治療を開始した際に、身体にどのような変化が現れ、どのような効果が期待できるのかについて、大きく3つのポイントに分けて詳しく解説いたします。
強力な食欲抑制と持続的な満腹感による無理のないカロリー制限
マンジャロの投与によって患者様が最も早く、そして明確に実感される効果が、食欲の劇的な低下と、少量の食事でも得られる強い満腹感です。有効成分であるチルゼパチドが脳の食欲中枢に作用することで、「食べたい」「間食したい」という欲求そのものが自然と湧かなくなります。ダイエットにおいて最大の障壁となるのは「空腹感との戦い」ですが、マンジャロを使用することでこのストレスから解放されます。
さらに、マンジャロには胃腸の働きを穏やかにし、食べたものが胃から腸へと排出される速度を遅延させる作用(胃排泄遅延作用)があります。これにより、これまで一人前の食事を平らげていた方でも、半分程度の量で胃が満たされている感覚になり、その満腹感が次の食事の時間まで長く持続します。結果として、1日あたりの総摂取カロリーが大幅に制限され、計算上ごく自然に体重が減少していくメカニズムが形成されます。無理な断食や極端な糖質制限を行う必要がなく、日々の生活習慣の中に自然と「少食」のサイクルを組み込むことができるのが大きな特徴です。
基礎代謝の向上と脂肪燃焼メカニズムの活性化
マンジャロのもう一つの注目すべき効果は、GIP受容体への作用を介したエネルギー代謝の活性化です。通常、食事の量を減らして体重が減少し始めると、人間の身体は飢餓状態から身を守ろうとする防衛本能が働き、基礎代謝(安静時に消費されるエネルギー量)を低下させてエネルギーを節約しようとします。これが、多くのダイエッターを苦しめる「停滞期」の主な原因です。
しかし、マンジャロは脂肪細胞に直接働きかけ、蓄積された脂質の分解を促進するとともに、身体がエネルギーを消費しやすい状態を維持するようサポートします。GIPとGLP-1のデュアルアクションにより、基礎代謝の低下をある程度防ぎながら、効率的に脂肪を燃焼させることが可能になります。つまり、単に「食べないから痩せる」のではなく、「脂肪が燃えやすい体質へとシフトしながら痩せる」という、非常に質の高いダイエット効果が期待できるのです。これにより、筋肉量の減少を最小限に抑えつつ、体脂肪率を効果的に低下させることが目指せます。
内臓脂肪の減少と生活習慣病(メタボリックシンドローム)の予防効果
肥満治療の究極の目的は、見た目の美しさを手に入れることだけでなく、将来的な健康リスクを排除し、健康寿命を延ばすことにあります。マンジャロは、皮下脂肪だけでなく、お腹の臓器の周囲に蓄積する「内臓脂肪」を強力に減少させる効果があることが分かっています。内臓脂肪の過剰な蓄積は、メタボリックシンドロームの根本原因であり、高血圧、脂質異常症(高コレステロール)、脂肪肝、そして2型糖尿病といった深刻な生活習慣病の引き金となります。
日本肥満学会は、単なる肥満(BMI25以上)と、減量によって改善が期待できる健康障害を合併している「肥満症」を明確に区別し、医学的な減量治療の重要性を提唱しています。マンジャロによって内臓脂肪が減少すると、インスリンの効きやすさ(インスリン感受性)が劇的に改善し、血糖値の安定化、血圧の低下、悪玉コレステロール値の改善といった副次的な健康メリットがもたらされます。肥満に起因する様々な健康リスクを抱えている方にとって、マンジャロはまさに根本的な体質改善を図るための強力なサポーターとなります。
マンジャロとオゼンピックの比較試験
| 患者 | 糖尿病患者1879名 |
|---|---|
| 方法 | マンジャロ5mg、10mg、15mg、オゼンピック1mgのグループに分け、40週間後の糖尿病治療効果、減量効果を評価した。 |
| 結果 | 下記の減量効果があった。 マンジャロ5mg:7.6kg減 マンジャロ10mg:9.3kg減 マンジャロ15mg:11.2kg減 オゼンピック1mg:5.7kg減
|
- 出典:NEJM2021(SURPASS-2試験)
マンジャロを使用する前に知っておきたい副作用と重大なリスク
マンジャロは非常に優れた効果を持つ反面、体内のホルモンバランスや消化器系にダイレクトに作用する強力な医薬品であるため、使用にあたっては様々な副作用が生じるリスクがあります。安全に医療ダイエットを継続するためには、どのような副作用が起こり得るのかを事前に把握し、異常を感じた際の正しい対処法を理解しておくことが不可欠です。ここでは、頻度の高い副作用から重大なリスクまでを詳細に解説します。
投与初期に起こりやすい胃腸・消化器系の副作用(吐き気・便秘など)とその対策
マンジャロの副作用として最も高い頻度で報告されているのが、胃腸をはじめとする消化器系の症状です。具体的な症状としては、吐き気(悪心)、胃のむかつき、下痢、便秘、嘔吐、消化不良、食欲不振などが挙げられます。これらの症状は、マンジャロの主作用である「胃の排泄を遅らせる働き」がダイレクトに影響しているため、ある意味では薬が正常に効いている証拠でもあります。
消化器系の副作用は、マンジャロの投与を開始した直後(最初の数週間)や、薬の用量を一段階増やしたタイミングで特に強く現れる傾向があります。しかし、多くの場合は体が薬剤の成分に慣れていくにつれて、徐々に症状が軽減し、改善していくことが一般的です。
【消化器症状を和らげるための対策】
- 食事の摂り方を工夫する: 胃の働きが遅くなっているため、1回の食事量を減らし、小分けにして食べるようにしてください。無理に食べ切ろうとすると嘔吐の原因になります。
- 消化に良いものを選ぶ: 脂っこい食事、極端に甘いもの、香辛料などの刺激物は胃腸の負担となるため避け、消化吸収の良いタンパク質やスープなどを中心に摂取しましょう。
- 水分補給と便秘対策: 食事量が減ることで便のかさが減り、便秘になりやすくなります。こまめな水分補給を心がけるとともに、症状が辛い場合は無理をせず、担当医師に相談して緩下剤(便秘薬)や制吐剤(吐き気止め)を処方してもらうことも有効な手段です。
【皮膚科専門医が解説】注射部位の皮膚トラブル(かゆみ・赤み・しこり)の予防とケア
マンジャロは皮下注射によって薬剤を体内に投与するため、注射を打った局所の皮膚に様々なトラブルが生じることがあります。これを「注射部位反応」と呼びますが、皮膚科専門医の視点から見ると、この皮膚トラブルに対する適切なケアは治療を継続する上で非常に重要です。
よく見られる皮膚の副反応として、注射を打った周囲の皮膚に赤み(紅斑)、腫れ、強いかゆみ、痛みを伴うしこり(硬結)、または内出血が現れることがあります。これらは、薬剤そのものに対する軽度のアレルギー反応や、注射針が皮膚を貫通する際の物理的な刺激が原因で引き起こされます。通常は数時間から数日程度で自然に消退しますが、体質によっては強いかゆみが長引くことがあります。
【皮膚トラブルを防ぐための皮膚科的アプローチ】
最も重要かつ絶対的な予防策は、「毎週必ず異なる部位に注射を打つこと(ローテーション)」です。前回注射した場所から最低でも数センチは位置をずらすようにしてください。同じ部位に繰り返し注射を打ち続けると、皮下脂肪が萎縮してへこんでしまったり、逆に硬いしこりになって薬剤の吸収が悪くなる「リポジストロフィー(脂肪萎縮症・脂肪肥大症)」という厄介な状態を引き起こす恐れがあります。
また、皮膚が乾燥しているとバリア機能が低下し、少しの刺激でも強いかゆみを感じやすくなります。日常的にボディクリームや保湿ローションで全身のスキンケアを行い、皮膚の状態を健やかに保つことがトラブルの予防に直結します。もし、注射部位に強い赤みやかゆみが出た場合は、絶対に掻きむしらないでください。掻き壊してしまうと、色素沈着(シミ)や傷跡が残ってしまいます。症状が強い場合は自己判断で放置せず、皮膚科を併設しているクリニックに相談し、適切なステロイド外用薬(塗り薬)や抗ヒスタミン薬の内服薬を処方してもらうことで、跡を残さず綺麗に治すことが可能です。
急性膵炎や低血糖など、注意すべき重大な副作用の初期症状
発生頻度自体は非常に稀ではありますが、マンジャロの使用において絶対に知っておくべき重大な副作用のリスクとして「急性膵炎」と「低血糖」が報告されています。
急性膵炎のリスクと初期症状
マンジャロは膵臓のインスリン分泌細胞に強く働きかけるため、膵臓に過度な負担がかかり、炎症を引き起こす可能性があります。急性膵炎を発症すると、みぞおちから背中にかけて突き抜けるような激しい腹痛、持続する強い吐き気や嘔吐、発熱などの症状が急激に現れます。これらの症状が見られた場合は、様子を見るようなことはせず、直ちにマンジャロの使用を中止し、速やかに医療機関(消化器内科や救急外来)を受診しなければなりません。過去に膵炎を患ったことのある方は、再発のリスクが高いためマンジャロを使用できないケースがほとんどです。
低血糖のリスクと初期症状
マンジャロ単独での使用(健康な肥満患者へのダイエット目的)では、血糖値が正常範囲を超えて極端に下がる「低血糖」は起こりにくいように設計されています。しかし、糖尿病治療薬として他のインスリン製剤や血糖降下薬と併用している場合や、ダイエットのために極端な糖質制限・過度な絶食を行っている場合には、低血糖のリスクが跳ね上がります。
低血糖の初期症状としては、異常な冷や汗、手足の震え、激しい動悸、耐え難い空腹感、目の焦点が合わない、強い倦怠感などがあります。これらのサインを感じた際は、直ちにブドウ糖や砂糖を含むジュースなどを摂取できるよう、外出時も常に糖分を携帯しておくなどの準備を怠らないようにしましょう。
マンジャロによる医療ダイエットを使用できない方・処方対象の基準
医療機関においてマンジャロの処方を受けるためには、一定の医学的基準を満たしている必要があります。特に自由診療におけるダイエット目的の処方は、患者様の健康と安全を最優先とするため、各クリニックで独自の処方基準が設けられています。
日本肥満学会の基準に基づく処方対象者(BMIと肥満症の定義)
日本国内の肥満治療における基本的な指標として、日本肥満学会が定める「BMI(Body Mass Index:体格指数)」の基準が広く用いられています。BMIは「体重(kg) ÷ 身長(m)の2乗」で計算される数値です。
日本肥満学会のステートメントでは、肥満(BMI25以上)は単なる状態であって疾患ではないものの、これに起因する健康障害(糖尿病、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群など、必須の11の健康障害のいずれか)を合併している、あるいは合併が予測される場合を「肥満症」と定義し、医学的な減量治療の対象としています。
マンジャロとゼップバウンドの厳格な保険適用基準
マンジャロや、同一成分であるゼップバウンドを「保険診療(3割負担など)」で処方してもらうためには、厚生労働省が定めた非常に厳格な基準をクリアしなければなりません。
当院では、保険診療でのGLP1製剤の処方は行っておりません。
【マンジャロの保険適用基準】
マンジャロが保険適用となるのは、「2型糖尿病」と正式に診断された患者様に限定されています。さらに、糖尿病治療の基本である食事療法や運動療法を十分に行ったうえで、それでも血糖コントロールが不十分な場合に使用が検討されます。単なる肥満解消やダイエット目的では、決して保険は適用されません。
【ゼップバウンドの保険適用基準】
一方、肥満症治療薬として承認されたゼップバウンドに関しても、処方へのハードルは極めて高く設定されています。保険適用を受けるためには、以下の厳しい条件をすべて満たす必要があります。
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高血圧、脂質異常症、2型糖尿病のいずれかを有していること。
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「BMI 35.0以上」または「BMI 27.0以上で、2つ以上の肥満に関連する健康障害を有している」こと。
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6ヶ月以上の食事療法・運動療法を継続しても効果が不十分であること。
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専門医や管理栄養士が在籍する、特定の教育研修施設(大学病院など)を受診すること。
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治療期間は最長72週間(約1年4ヶ月)に制限されていること。
厳しい保険基準から外れる方でも「自由診療」なら治療が可能
前述の通り、保険診療でマンジャロやゼップバウンドの処方を受けるのは、疾患レベルの重度な合併症を抱えている方に限定されており、「少し体重を落としたい」「理想の体重を目指したい」といった目的で保険診療での処方は不可能です。
しかし、「保険適用の厳しい基準には満たないれべるの肥満状態を、医学的なアプローチで確実に痩せたい」という方にとっての強力な受け皿となるのが、当院のようなクリニックが提供する「自由診療(全額自己負担)」による医療ダイエットです。自由診療の枠組みであれば、糖尿病や重度の肥満症といった診断や、長期間の通院実績がなくても、医師の診察のもとでマンジャロを用いたダイエット治療をすぐに開始することができます。
ただし、自由診療であっても安全第一です。もともと痩せ型や標準体型の方に対する過剰な処方は、健康被害のリスクから処方対象外となることがあります。ご自身の体型や健康状態が自由診療での処方対象になるかどうか、まずは専門医のカウンセリングを受けることをお勧めします。
妊娠中・授乳中の方や特定の疾患を持つ方への禁忌事項
BMIの基準を満たしており、肥満に悩んでいる方であっても、以下の条件に該当する場合は重大な健康被害を引き起こす恐れがあるため、マンジャロを使用することはできません(禁忌)。
| 妊娠中の方、妊娠している可能性のある方 | 薬剤の成分が胎児の正常な発育に悪影響(催奇形性など)を及ぼす可能性があるため、絶対に使用できません。 |
|---|---|
| 授乳中の方 | 母乳中に薬剤の成分が移行し、乳児に影響を与える恐れがあるため使用できません。 |
| 過去に急性膵炎の既往歴がある方 | 膵臓への刺激により、膵炎を再発するリスクが極めて高いため使用できません。 |
| 甲状腺髄様がんの既往歴、または家族歴がある方 | 動物実験(ラット)において、甲状腺C細胞腫瘍の発生リスクが上昇したとの報告があるため、慎重な回避が求められます。 |
| 重度の胃腸障害(胃不全麻痺など)がある方 | 胃の排泄を遅延させる作用があるため、既存の胃腸疾患を致命的に悪化させる恐れがあります。 |
| 18歳未満の未成年者 | 安全性に関する臨床データが十分に確立されていないため、処方できないケースがほとんどです。 |
ご自身の体質や持病、過去の病歴に少しでも不安がある方は、診察時に必ず医師へ正確に申告し、マンジャロを使用しても問題ないかどうかの適切な医学的判断を仰ぐようにしてください。
【実践編】マンジャロ皮下注アテオスの正しい使い方と安全な投与の注意点
マンジャロは「皮下注アテオス」と呼ばれる、患者様ご自身で自宅で簡単に投与できるよう設計されたペン型の「オートインジェクター(自動注射器)」を使用して投与します。注射針はあらかじめ本体に内蔵されており、患者様自身が針を見ることも触れることもありません。ボタンをカチッと押すだけで自動的に適切な深さに針が刺さり、薬液が注入される仕組みになっているため、医療用の注射に全く不慣れな一般の方でも、安全かつ確実に投与することが可能です。
痛みを抑える自己注射の手順(アテオス)と推奨される投与部位
マンジャロは、「1週間に1回」、ご自身で皮下注射を行います。食事のタイミングには全く影響されないため、朝・昼・夜いつでも、ご自身が最も忘れにくい時間帯を選んで投与することが可能です。ただし、血中濃度を一定に保つため、「毎週同じ曜日の同じ時間帯」に投与することを習慣づけてください。
【痛みを和らげ、安全に注射するための正しい手順】
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室温に戻す: 冷蔵庫で保管していたマンジャロを、注射を打つ約30分〜45分前に取り出し、室温に戻しておきます。冷たいままの薬液を注入すると、強い痛みを感じやすくなるため、このひと手間が非常に重要です。
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投与部位の選定と消毒: 注射を打つ部位は、皮下脂肪が厚い以下の3箇所のいずれかが推奨されています。
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腹部(お腹): おへその周囲から5cm以上離れた場所。最もご自身で確認しやすく、打ちやすい一般的な部位です。
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大腿部(太もも): 太ももの前側。
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上腕部(二の腕):
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キャップを外して皮膚に密着: 透明なベースキャップを真っ直ぐ引っ張って外します。注射器の透明な底面を、消毒した皮膚に対して「垂直に」しっかりと密着させます。
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ロック解除: 皮膚に押し当てた状態のまま、注射器上部にある鍵のマークを確認し、「ロック解除(緑色のマークが見える状態)」の方向へ止まるまで回します。
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注入の実行と確認: 一番上にある紫色の注入ボタンを押します。「カチッ」という大きな音が鳴ると同時に注射が開始されます。そのまま皮膚に押し当てた状態を維持し、約10秒後に2回目の「カチッ」という音が鳴るのを確認します。この2回目の音と、注射器内部の灰色の部品が見えるようになれば、薬液の注入が完全に終了した合図です。
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事後処理: 注射器を皮膚から真っ直ぐ離します。注射部位を強く揉んだり、こすったりすることは内出血の原因となるため絶対に避けてください。使用済みの注射器は医療廃棄物となるため、クリニックの指示に従って安全に破棄してください。
2.5mgから開始する段階的な用量調整(ステップアップ)の重要性
マンジャロを用いた治療において絶対に守らなければならないルールが、「最も少ない用量である週1回2.5mgから投与を開始する」という点です。これは、強力な薬剤に対する身体の急激な反応を防ぎ、吐き気や便秘といった深刻な胃腸障害のリスクを最小限に抑えるための極めて重要なプロセスです。
具体的な投与スケジュールとしては、まず「週1回2.5mg」の投与を4週間(約1ヶ月間)継続します。この4週間の間に、身体は徐々にチルゼパチドの成分に順応していきます。4週間が経過した時点で、医師が患者様の体重の減少ペース、体調の変化、そして消化器症状などの副作用の有無を総合的に診察・評価します。問題なく薬に慣れていると判断された場合にのみ、次のステップアップとして維持用量である「週1回5mg」へと増量されます。
一部の患者様の中には、「もっと早く体重を落としたい」「2.5mgでは食欲が抑えきれない」と焦りを感じ、自己判断で勝手に用量を増やしたり、週に2回注射を打ったりしようとする方がいますが、これは激しい嘔吐や急性膵炎、重篤な低血糖を引き起こす可能性があり大変危険な行為です。マンジャロの効果を最大限に引き出しつつ安全に治療を進めるためには、用量や頻度の決定は必ず主治医の指示と判断に委ねてください。
マンジャロの正しい保管方法(冷蔵庫・室温)と品質を保つコツ
マンジャロは非常にデリケートなペプチドホルモン製剤であるため、温度変化や光に対して敏感です。薬剤の品質と効果を100%保つためには、正しい保管方法を守ることが不可欠です。
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基本は冷蔵庫保管: 未使用のマンジャロ(アテオス)は、必ず冷蔵庫(2℃〜8℃の環境)で保管してください。ただし、冷気の吹き出し口付近など、凍結する恐れのある場所は避けてください。一度でも凍結してしまったマンジャロは、成分が変性して効果が失われている可能性があるため使用できません。
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室温での保管期限: 旅行や出張などで冷蔵保管が難しい場合は、室温(30℃以下)で保管することも可能ですが、その場合は「最長21日以内」に必ず使い切る必要があります。直射日光の当たる場所や、車内などの高温になる場所での放置は厳禁です。
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遮光の徹底: パッケージの箱に入れたまま保管し、強い光(日光や紫外線の強い照明)から薬剤を守るようにしてください。
マンジャロの費用
全て、消費税込みです。
| 初診料 | 3,300円 |
|---|---|
| 再診料 | 1,100円 |
| 薬剤料 | マンジャロ2.5㎎ 1本3,980円(1週分) マンジャロ2.5㎎ 4本15,000円(4週分) マンジャロ5㎎ 1本7,980円(1週分) マンジャロ5㎎ 4本30,000円(4週分) マンジャロ7.5㎎ 1本11,980円(1週分) マンジャロ7.5㎎ 4本45,000円(4週分) マンジャロ10㎎ 1本15,980円(1週分) マンジャロ10㎎ 4本60,000円(4週分) |
※GLP-1ダイエット治療について
未承認医薬品等(異なる目的での使用)
マンジャロは、医薬品医療機器等法において、「2型糖尿病」の効能・効果で承認されていますが、当院で行う肥満治療目的での使用については国内で承認されていません。
入手経度等
国内の医薬品卸業者より国内承認薬を仕入れています。
国内の承認医薬品の有無
国内では「ウゴービ」というGLP-1製剤が「肥満治療」の効能・効果で厚生労働省に認可されています。
諸外国における安全性などに係る情報
GLP-1受容体作動薬の注射製剤が米国FDAと国内で肥満治療薬として承認されています。
監修医師: うらた皮膚科 院長 浦田透
保有資格: 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
経歴:
平成23年 中京病院 研修医
平成25年 中京病院 皮膚科
平成26年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科
平成27年 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科
平成28年 名古屋大学医学部附属病院 医員
平成30年 名古屋大学医学部附属病院 病院助教
平成31年 名古屋大学医学部附属病院 助教
令和3年4月 うらた皮膚科 副院長
令和3年11月 うらた皮膚科 院長