原発性局所多汗症とは

多汗症とは

原発性局所多汗症は、手のひら、足の裏、脇に多く生じます。
遺伝的要因が関係していることや、緊張や運動で増悪することが知られていますが、はっきりと解明されてはいません。
 

 多汗症の診断基準

原因不明の過剰な局所性発汗が6ヵ月以上持続していること。
以下の6項目中2項目以上を満たすこと。

 両側性かつ左右対称性に多汗がみられる
 多汗によって日常生活に支障が生じている
 週1回以上の頻度で多汗エピソードがみられる
 25歳未満で発症した
 家族歴がある
 睡眠時は局所性の発汗がみられない

 

Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)による重症度判定

3点および4点が、重症多汗症と判定されます。

 発汗は全く気にならず、日常生活に全く支障がない
 発汗は我慢できるが、日常生活に時々支障がある
 発汗はほとんど我慢できず、日常生活に頻繁に支障がある
 発汗は我慢できず、日常生活に常に支障がある

 

多汗症の治療

当院では、日本皮膚科学会のガイドラインに準じて治療方針を決めております。
しかし、ガイドラインは2015年のものです。
新しい治療法についても補足して、部位別に治療法をご説明します。
(※当院で実施できない治療法についてもご紹介しています。)

脇の多汗症・ワキ汗の治療

塩化アルミニウム外用

第1選択治療の一つです。当院で可能です

エクロックゲル

第1選択治療の一つです。当院で可能です(保険診療)

ボトックス注射

第1選択治療が無効なときに用います。当院で可能です

手術

重症例実施されていましたが、最近はマイクロ波を用いた治療も広まっています。基幹病院へ紹介します。

ミラドライ

2018年に厚生労働省に承認された、安心で効果が高い治療です。当院で可能です。
 
 

手の多汗症・手汗の治療

手の多汗症治療

塩化アルミニウム外用

第1選択治療であり、イオントフォレーシス治療と交互に繰り返すことも有効です。当院で可能です

イオントフォレーシス

第1選択治療であり、塩化アルミニウム外用と交互に繰り返すことも有効です。当院で可能です(保険診療)

ボトックス注射

4-9カ月程度効果が持続するので、春にする方が増えます。当院で可能です

手術

他の治療抵抗性で、本人希望が強い場合。
副作用:代償性発汗が生じます。別の部分の汗の量が増えます。
期間病院へ紹介します
 
 

足の多汗症の治療

足の多汗症治療

塩化アルミニウム外用

第1選択治療であり、イオントフォレーシス治療と交互に繰り返すことも有効です。当院で可能です

イオントフォレーシス

第1選択治療であり、塩化アルミニウム外用と交互に繰り返すことも有効です。当院で可能です(保険診療)

ボトックス注射

当院で可能です
 
 

顔の多汗症治療

頭の多汗症治療

内服治療

抗コリン薬(プロバンサイン)が多汗症治療に唯一保険適応があります。当院で可能です(保険診療)

塩化アルミニウム外用

当院で可能です

ボトックス注射

当院で可能です

手術

他の治療抵抗性で、本人希望が強い場合。
副作用:代償性発汗が生じます。別の部分の汗の量が増えます。
期間病院へ紹介します