アポハイドローションとは

アポハイドローションとは

アポハイドローション20%は、原発性手掌多汗症に対する初めての保険診療のローション製剤です。
抗コリン剤のローション製剤。
神経伝達物質であるアセチルコリンの作用を阻害します。
アセチルコリンは汗腺から発汗を誘発すると考えられており、本剤は多汗症の原因となるエクリン汗腺のムスカリン受容体と結合することでアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制します。
 
2023年3月、日本でも製造販売が承認されました。
2023年6月1日、保険診療で処方が可能になりました!
 

当院の手汗治療

当院では様々な治療法を患者様に合わせてご提案しています。

  イオントフォレーシス アポハイドローション 塩化アルミニウム
ローション
塩化アルミニウム
軟膏の密閉治療
ボトックス注射
治療効果
頻度 週1~2回 毎日 最初は毎日使用する
効果が出てきたら週2~3回
 3~6カ月毎
長所 保険適応
名古屋市内の高校生以下は無料
効果が強い
短所 通院回数が多い   効果が弱い   痛みが強い
保険適応 あり あり なし なし なし

アポハイドローションの効果

原発性手掌多汗症患者を対象とした国内試験

患者

HDSSが2点以上(症状により日常生活に支障がある)

腋窩発汗量が両側50㎎以上

方法

薬剤使用グループと、使用しないグループでの比較試験(無作為化、基剤対照、二重盲検)。

28日間投与した際の有効性、安全性の評価

結果

両手の発汗重量が半分以下に改善した割合、52.8%が改善(対照群24 .3%)

 

原発性手掌多汗症患者を対象とした国内長期投与試験

患者

12~69歳の原発性手掌多汗症患者

方法

52週間投与した際の有効性、安全性の評価

結果

両手の発汗重量が半分以下に改善した割合、72.6%が改善

アポハイドローションの安全性

原発性手掌多汗症患者を対象とした国内試験

アポハイドローションの重篤な副作用

なし

アポハイドローションの頻度の多い副作用

副作用発現頻度は12.5%(18/144例)
主な副作用は適用部位皮膚炎4.2%(6/144例)、口渇3.5%(5/144例)、適用部位そう痒感2.1%(3/144例)等であった。
 

原発性手掌多汗症患者を対象とした国内長期投与試験

アポハイドローションの重篤な副作用

なし

アポハイドローションの頻度の多い副作用

副作用発現頻度は36.0%(45/125例)。
主な副作用は適用部位皮膚炎8.8%(11/125例)、適用部位湿疹6.4%(8/125例)、口渇3.2%(4/125例)、皮脂欠乏症3.2%(4/125例)等であった。

アポハイドローションの使い方

1日1回、就寝前に適量を両手掌全体に塗布する。
1回の塗布量は、両手掌に対しポンプ5押し分を目安とすること。

アポハイドローションを使用できない方

アポハイドローションを使用できない方

閉塞性隅角緑内障の方

閉塞性隅角緑内障の方は、抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化する可能性がある。

下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大等)による排尿障害がある方

抗コリン作用により、交感神経が優位になり、膀胱括約筋収縮・排尿筋弛緩のため、排尿障害が悪化する可能性がある。

重篤な心疾患がある方

交感神経が優位になることで、心臓の仕事量が増加するおそれがある。

麻痺性腸閉塞がある方

腸管の運動機能を抑制するため、胃潰瘍や腸炎の治療としても使われる。
腸閉塞があると、その症状が悪化する可能性がある。

重症筋無力症の方

抗コリン作用により筋緊張の低下がみられ症状が悪化するおそれがある。

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方

 

アポハイドローションの使用に注意が必要な方

下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している方(排尿障害のある方を除く)

抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。

甲状腺機能亢進症の方

抗コリン作用により、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。

うっ血性心不全の方

代償性交感神経系の亢進を更に亢進させるおそれがある。

不整脈のある方

頻脈性の不整脈を有している方では、副交感神経遮断作用により交感神経が優位にたち、心拍数の増加等が起こるおそれがある。

潰瘍性大腸炎の方

中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。

パーキンソン症状又は脳血管障害のある方

症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。

認知症又は認知機能障害のある方

抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。

塗布部位に創傷や湿疹・皮膚炎等がみられる方

創傷や湿疹、皮膚炎等がある部位への使用は避けること。体内移行量が増加し、抗コリン作用に基づく副作用があらわれやすくなる可能性がある。

重篤な腎機能障害のある方

腎排泄が遅延するおそれがある。

重篤な肝機能障害のある方

主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には使用しないことが望ましい。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
動物実験(ラット)で乳汁への移行が報告されている。

小児

12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

アポハイドローションの費用

アポハイドローション1本(1週間分)の費用

3割負担のとき

707円

1割負担の時

235円

 

アポハイドローション1か月分の費用

3割負担のとき

2,829円(28日分)

1割負担の時

943円(28日分)