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ディフェリンゲル

DIFFERIN GEL
最終更新日:2026-04-30
皮膚科専門医が監修する「ニキビのディフェリンゲル治療」に関する総合ガイドです。白ニキビに効果的な理由や、効果を実感するまでの期間、ベピオゲルとの違いを徹底解説します。さらに、1日1回の正しい使い方やスキンケアの順番、使い始めに起こりやすい副作用(赤み・乾燥・ヒリヒリ感)の具体的な対処法、保険適用時の費用目安まで詳しく説明します。妊娠中の注意点も網羅しているため、安全に治療を始めたい方は必見です。

ニキビのディフェリンゲル治療とは
ディフェリンがなぜ大切か
ニキビのディフェリンゲル治療で期待できる効果
ニキビのディフェリンゲル治療の正しい使い方と注意点
知っておきたい副作用とリスク
ニキビのディフェリンゲル治療を使用できない方
ニキビのディフェリンゲル治療の費用
よくある質問

ニキビのディフェリンゲル治療とは

ニキビの治療において、世界的な標準治療薬として広く皮膚科で処方されているのが「ディフェリンゲル」です。ここでは、このお薬がどのような性質を持ち、なぜニキビに対して高い効果を発揮するのか、その基本的な仕組みについて詳しく解説します。

ディフェリンゲル(有効成分アダパレン)の画期的な特徴

ディフェリンゲルは、日本で初めて承認された外用レチノイド(ビタミンA誘導体の一種)に分類される画期的なニキビ治療薬です 。有効成分として「アダパレン(0.1%)」が配合されています 。従来の市販のニキビ薬の多くが、すでに赤く腫れ上がってしまったニキビの「炎症を一時的に鎮める」ことや、「表面を殺菌する」ことに主眼を置いていたのに対し、ディフェリンゲルはニキビの発生メカニズムそのものに根本からアプローチします 。皮膚の角化(皮膚の表面にある角質層が異常に分厚くなること)を強力に抑え込むことで、ニキビの初期段階である「毛穴の詰まり(面ぽう)」を解消し、皮脂がスムーズに排出される健康な肌環境を作り出します 。

ニキビが発生する根本原因と薬の作用メカニズム

ニキビは、過剰に分泌された皮脂と、剥がれ落ちずに毛穴を塞いでしまった古い角質が混ざり合うことから始まります。ディフェリンゲルは、この毛穴の入り口が詰まる現象を未然に防ぐ働きがあります 。現在すでにできている目に見えるニキビを治療するだけでなく、皮膚の奥に潜んでいる目に見えない極小の毛穴の詰まりである「微小面ぽう(マイクロコメド)」にも作用します 。これにより、今あるニキビの進行を食い止めるだけでなく、これから新しくできるニキビの発生を長期間にわたって予防し続けるという、非常に優れた効果を持っています 。

日本皮膚科学会の治療ガイドラインにおける高い評価と推奨度

ディフェリンゲルの有効性と安全性は、数多くの臨床試験によって科学的に証明されています。日本皮膚科学会が定める最新の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」において、ディフェリンゲルは極めて高く評価されており、ニキビ治療の第一選択薬として位置づけられています 。具体的には、初期の皮脂詰まりである「白ニキビ・黒ニキビ」の治療から、炎症を起こした「赤ニキビの急性期」、さらには症状が落ち着いた後の「寛解維持(再発を防止するための継続治療)」に至るすべての段階において、「推奨度A(強く推奨する)」と明記されています 。皮膚科専門医が自信を持って患者様に提案できる、最も信頼性の高い治療薬の一つです。

ディフェリンがなぜ大切か

あらゆるステージに効果的です!

ニキビのステージ解説
  • 炎症のある赤ニキビだけでは無く、炎症が無い白ニキビにも効果があるため、より早期にニキビを治療できます。
  • さらに、微小面ぽうの段階でも治療効果があるため、継続して使用することで新しいニキビが出きにくくなります。

 

各ステージの解説

微小面ぽう(ニキビ予備軍)

  • 毛穴つまりが始まったけど、はっきりニキビがみられない段階。
  • この段階で治療効果があるのがディフェリンの良いところです。
  • そのため、ディフェリンはニキビが出来やすい部位に広範囲に塗ります。

白ニキビ(コメド、面ぽう)

  • 炎症が生じていない状態です。
  • この状態はニキビ菌が増殖しておらず、抗菌薬は不要です。
  • 白ニキビ治療は、ディフェリンかベピオが大切です。

赤ニキビ

  • ニキビ菌が増殖して、炎症が生じてた段階です。
  • 抗菌薬とディフェリンを併用して治療します。
  • ディフェリンは赤ニキビにも効果がありますが、それだけではありません。
  • 赤ニキビあるところ、ニキビ予備軍や白ニキビも必ず同時に混在しています。
  • ディフェリンで治療をしながら、新しいニキビを予防していきます。

ニキビのディフェリンゲル治療で期待できる効果

ディフェリンゲルは、ニキビの進行度合いや種類に応じて異なる効果を発揮します。ここでは、具体的にどのような肌トラブルに効くのか、そして治療を開始してから効果を実感するまでにどの程度の期間が必要なのかを詳細に解説します。

白ニキビ・黒ニキビに対する初期段階での劇的な改善効果

ニキビの初期段階である、皮脂が毛穴に詰まって白くポツッと膨らんだ状態の「白ニキビ(閉鎖面ぽう)」や、毛穴が開いて酸化した皮脂が黒くブツブツと見える「黒ニキビ(開放面ぽう)」に対して、ディフェリンゲルは非常に高い改善効果を発揮します 。有効成分のアダパレンが、毛穴付近の分厚くなった角質を薄くし、詰まった皮脂や老廃物をスムーズに外へ排出させます。この作用により、肌のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)が正常化し、ざらつきのない滑らかな肌へと導かれます。また、継続して使用することで、鼻の毛穴に皮脂が詰まる「いちご鼻」や「毛穴の黒ずみ」の改善にも効果が期待できるとされています 。

赤ニキビの進行抑制とニキビ跡(色素沈着)へのアプローチ

毛穴に詰まった皮脂を栄養にしてアクネ菌が異常増殖し、炎症を起こして赤く腫れ上がった「赤ニキビ」に対しても、ディフェリンゲルは間接的かつ持続的な効果をもたらします 。毛穴の詰まりを解消することで、アクネ菌が繁殖しやすい密閉環境を破壊し、炎症の進行を緩やかに抑え込みます 。さらに、ディフェリンゲルには肌のターンオーバーを促進してメラニンを排出する作用があるため、炎症が治まった後に残りやすい「ニキビ跡の黒いシミ(色素沈着)」を徐々に薄くしていく効果も期待されています 。ただし、即効性のある強力な殺菌作用を持つわけではないため、赤ニキビが重症化している場合は、医師の判断により他の抗菌薬などを併用する治療が行われます 。

治療開始から1ヶ月〜1年後までの具体的な経過イメージ

ディフェリンゲルは即効性を求めるお薬ではなく、肌のターンオーバーの周期に合わせて徐々に効果を発揮するため、根気強い継続的な使用が不可欠です 。一般的な治療の経過と期間の目安は以下の表のようになります 。

  治療期間の目安 実感しやすい効果と肌の変化
 開始〜2週間  まだ目に見える改善効果は実感しにくく、赤みや乾燥などの副作用が最も出やすい時期です。
 1ヶ月目  副作用が徐々に落ち着き始め、指で触れたときの白ニキビの減少や、肌のざらつきの改善を実感し始めます。
 2〜3ヶ月目  赤ニキビの炎症が目に見えて治まり、新しいニキビが明らかにできにくくなったことを実感できる時期です。
6ヶ月〜1年 さらなるニキビの減少とともに肌のターンオーバーが完全に整い、肌質そのものが向上して健康的な状態が長期間維持されます。

使い始めて数日でニキビが劇的に消えるわけではありませんが、最低でも3ヶ月間は自己判断でやめずに根気よく治療を続けることが、ニキビのない美しい肌を手に入れるための最大の鍵となります 。

日本人100人に行った3カ月間の効果

  • 白ニキビ(非炎症性皮疹)の平均減少率は、1週間後23%、1カ月後50%、3カ月後65%。
  • 100人中56人に副作用を認め。乾燥37人、皮むけ18人、不快感16人、赤み8人、かゆみ5人。
  • 副作用は主に軽度~中等度で、一時的な出現であった。

他の治療薬(ベピオゲルやエピデュオゲル、抗菌薬)との違いと併用効果

皮膚科のニキビ治療では、ディフェリンゲル以外にも様々な塗り薬が処方されます。症状に応じてこれらを使い分けたり、組み合わせたりすることがあります 。
ディフェリンゲルと並んでよく処方されるのが「ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)」です。ディフェリンゲルが「毛穴の詰まりを防ぐ(予防)」ことに長けているのに対し、ベピオゲルは「アクネ菌を直接殺菌する(炎症を鎮める)」効果と「角質を剥がす(ピーリング)」効果に優れています 。そのため、赤く腫れたボツボツとした炎症性ニキビが多い場合には、ベピオゲルが適していることがあります 。また、ディフェリンゲルは妊娠中には使用できませんが、ベピオゲルは妊娠中でも使用が認められているという大きな違いがあります 。 さらに、赤ニキビの炎症が非常に強い場合は、「ダラシンTゲル」や「アクアチムクリーム」といった外用の抗菌薬(抗生物質)や内服薬を併用して一気に炎症を抑え込む治療が行われます 。重症のニキビに対しては、ディフェリンゲルの成分(アダパレン)とベピオゲルの成分(過酸化ベンゾイル)の両方が1つに合わさった強力な配合薬である「エピデュオゲル」が選択されることもあります 。専門医が患者様の肌質を的確に診断し、最適な組み合わせを提案します。

ニキビのディフェリンゲル治療の正しい使い方と注意点

ディフェリンゲルは非常に効果の高いお薬ですが、正しい量とタイミングで使用しなければ、十分な効果が得られないだけでなく、副作用による刺激を不必要に強めてしまう恐れがあります 。ここでは、効果を最大化しつつ肌への負担を最小限に抑えるための正しい使い方と、スキンケアの順番について解説します。

1日1回・夜の洗顔後を厳守する理由と基本的な使用手順

ディフェリンゲルは、必ず**「1日1回、夜の就寝前の洗顔後」**に使用してください 。朝や日中に使用すると、薬を塗った肌が紫外線に対して非常に敏感になり、強い刺激を感じたり赤みが出やすくなったりするため、朝の使用は避けることが推奨されています 。 洗顔を行う際は、たっぷりの泡で肌をこすらず優しく洗い、清潔なタオルで水分をそっと吸い取るように拭き取ります 。ここでの最も重要なポイントは、洗顔後に肌の水分を完全に乾かすことです 。肌の表面に水分が残った状態でディフェリンゲルを塗ると、薬の成分が急速に肌の奥へ浸透しすぎてしまい、強いヒリヒリ感や副作用の原因となってしまいます 。

保湿剤を先に塗るスキンケアの正しい順番と適切な塗布量(1FTU)

ディフェリンゲルを使用すると肌が乾燥しやすくなるため、塗布前の保湿ケアは非常に重要です 。正しい塗布の順番と使用量は以下の表に従ってください。

 スキンケアのステップ  具体的な手順と重要なポイント
ステップ1:洗顔と乾燥 優しく洗顔した後、タオルで水分を拭き取り、肌を完全に乾かします。
ステップ2:徹底した保湿 ディフェリンゲルを塗る前に、化粧水や乳液などの保湿剤をたっぷりと塗り、肌のバリア機能を補います。
ステップ3:適切な量の計量 チューブから薬を押し出し、「1FTU(人差し指の先端から第一関節までの長さ、約0.5g)」を指に取ります。これが顔全体に塗る場合の適量です。
ステップ4:顔全体への塗布 スキンケアが肌に馴染んだ後、ニキビがある部分だけでなく、予防のために顔全体に薄く均等に広げて塗ります。
ステップ5:手洗い 薬の成分が目や口に入るのを防ぐため、塗り終わったら必ず手を石鹸で洗い流します。

薬を塗る際は、ニキビができている部分だけに「点」で乗せるのではなく、これからできるニキビを予防するために、ニキビができやすい範囲全体に「面」で薄く広げるように塗るのがコツです 。ただし、皮膚が薄く敏感な目の周り、口唇、小鼻の脇、粘膜、傷口には絶対に塗らない ように注意してください 。

紫外線対策の徹底と日常生活での摩擦を避けるスキンケアのコツ

ディフェリンゲルの使用期間中は、薬の作用によって角質層が薄くなるため、肌が通常よりも乾燥しやすく、外部からの刺激に対してデリケートな状態になります 。この時期に紫外線を無防備に浴びると、ヒリヒリとした強い刺激を感じたり、ニキビ跡が色素沈着を起こしてシミとして残りやすくなったりします 。 そのため、日中は季節や天候を問わず、低刺激の日焼け止めを使用し、外出時は帽子や日傘を活用するなど、徹底した紫外線対策を行ってください 。日焼け止めや化粧品を選ぶ際は、「ノンコメドジェニックテスト済み(ニキビになりにくい処方)」と記載されているものが推奨されます 。また、洗顔時やメイクを落とす際のクレンジングで肌をゴシゴシと強くこする摩擦は、バリア機能を破壊して症状を悪化させる原因となるため、常に摩擦レスな優しいスキンケアを心がけてください 。

知っておきたい副作用とリスク

ディフェリンゲルを用いた治療において、多くの患者様が直面し、不安を感じるのが「副作用」です。しかし、これらの反応はお薬がしっかりと効いて、古い角質を押し出している正常な過程の証拠でもあります 。適切な対処法を知っていれば、安全に乗り越えることが可能です。

使い始めの2週間以内に起こりやすい赤み・乾燥・皮むけの正体

ディフェリンゲルを使用し始めてから2週間以内に、およそ80%の患者様に「レチノイド反応(随伴症状)」と呼ばれる特有の皮膚症状が現れます 。これはアレルギー反応ではなく、薬の正常な作用の一部です。主な症状とその特徴は以下の通りです 。

 レチノイド反応の症状  症状の具体的な特徴と患者様が感じる状態
 皮膚の乾燥 肌の水分が奪われたように感じ、カサカサして粉をふいたような状態になります。
 皮膚の赤み(紅斑) 顔全体、または薬を塗った部位がほんのりと、あるいは日焼けしたように赤くなります。
 皮膚刺激感 化粧水などを塗った際に、ヒリヒリ、ピリピリとした軽い痛みやかゆみを感じます。
 皮むけ(落屑) 日焼けの後のように、薄い皮がポロポロとめくれるように剥がれ落ちます。

これらの症状は、毛穴を塞いでいた不要な角質が剥がれ落ち、新しい健康な肌へと生まれ変わっている最中に起こるものです。「肌に合っていない」と誤解されがちですが、多くの場合、治療を続けることで肌が適応していきます 。

副作用のピーク時期と症状が落ち着くまでの具体的な経過

レチノイド反応による副作用は、薬を塗り始めてから3日目頃から徐々に現れ始め、1〜2週間目で症状のピークを迎えます 。この時期は肌の赤みや皮むけが目立つため、「かえってニキビが悪化したのではないか」と強い不安を感じる患者様が多く見受けられます 。しかし、そのまま治療を継続することで、肌が徐々に薬の成分に慣れ、耐性ができていきます 。通常は2〜4週間が経過する頃には症状は劇的に軽減し、1ヶ月を過ぎる頃には副作用のほとんどが気にならなくなり、滑らかな肌を実感できるようになるケースが一般的です 。

刺激が辛い時の工夫(ショートコンタクトセラピー等)と医師への相談目安

どうしてもヒリヒリとした刺激が辛い場合や、乾燥がひどくて日常生活に支障が出る場合には、自己判断で完全に治療をやめてしまうのではなく、以下のような工夫を取り入れることで治療を継続しやすくなります 。

  • 高機能な保湿剤の併用:炎症を抑える「アゼライン酸」や「ナイアシンアミド」、肌のバリア機能を強力に修復する「セラミド」が配合されたクリニック推奨の保湿剤(ベーシックケアAZなど)をたっぷりと使用し、肌を保護します 。
  • 塗布量と範囲の調整:最初は1FTUではなく米粒大の少量から始め、ニキビの多いごく狭い範囲のみに塗布して、数週間かけて徐々に顔全体へ広げていく方法をとります 。
  • 使用頻度と時間の変更:毎日ではなく「1日おき(2日に1回)」の使用にして肌を休ませるか、薬を塗ってから15分ほど経過した後に水で優しく洗い流す「ショートコンタクトセラピー(短時間接触療法)」を行うことで、薬の効果を得つつ刺激を大幅に抑えることができます 。

ただし、無理は禁物です。強い赤みや腫れが1週間以上続く場合、薬を塗った部分から出血したり水ぶくれができたりした場合 、あるいは黄色い浸出液(汁)が止まらないような異常な状態になった場合は 、直ちにディフェリンゲルの使用を中止し、速やかに皮膚科専門医の診察を受けてください。

ニキビのディフェリンゲル治療を使用できない方

ディフェリンゲルはガイドラインで推奨される効果的なお薬ですが、医学的な安全性の観点から、一部の患者様には使用が禁止(禁忌)、あるいは推奨されていません 。以下の条件に当てはまる方は、必ず医師に申し出てください。

妊娠中および妊娠の可能性がある方への厳格な使用制限

ディフェリンゲルは、妊娠中の方、および妊娠している可能性のある方には絶対に使用することができません(禁忌とされています) 。これは、過去に行われた動物実験において、薬の成分による胎児への催奇形性(奇形を引き起こすリスク)や、骨の発育への悪影響が報告されているためです 。ニキビ治療の期間中に妊娠が判明した場合は、その時点ですぐに薬の使用を中止し、速やかに医師にご報告ください 。 妊娠中の方でニキビ治療を希望される場合は、胎児への影響がないとされる「ベピオゲル」や、安全性が確認されている一部のローションなど、代替となる治療薬をご提案します 。
### 授乳中の方や12歳未満の小児に対する安全性の観点 授乳中の方に関しても、ディフェリンゲルの成分が母乳を通じて乳児へ移行するかどうかの十分な安全データが確立されていないため、原則として使用は推奨されていません 。また、12歳未満の小児に対する大規模な臨床試験データも不足しており、成長期の皮膚に対する安全性が確認されていないため、処方は推奨されていません 。

アレルギー体質の方や他の皮膚疾患を持つ場合の対応策

過去にディフェリンゲルに含まれる成分(アダパレン等)で、強いかぶれや重篤なアレルギー反応(過敏症)を起こしたことがある方は、再度使用することはできません 。また、アトピー性皮膚炎が極度に悪化している部位や、切り傷、すり傷、強い湿疹が生じている部位には、刺激が強すぎるため塗布を避ける必要があります 。

ニキビのディフェリンゲル治療の費用

ディフェリンゲルは医療用医薬品であるため、市販のドラッグストア等で購入することはできず、皮膚科を受診して医師の処方箋を受け取る必要があります 。ここでは、健康保険が適用された場合の具体的な費用の目安について解説します。

健康保険が適用される場合の診察料と薬代の具体的な内訳

ディフェリンゲルを用いた治療は、「尋常性ざ瘡(ニキビ)」という疾患に対する標準治療として、健康保険(3割負担)が適用されます 。費用の大まかな内訳は以下の表の通りです 。

 費用の項目  3割負担の場合の目安料金  
 診察料  初診:約900円 / 再診:約400円 初めて受診するか、2回目以降かで異なります。
処方料・調剤料等  約200円〜 薬局で処方箋を受け付ける際にかかる基本料金です。
ディフェリンゲルの薬代  1本(15g)あたり約200円 薬価は50.10円/gです。非常に安価で経済的です。
 その他の併用薬(必要な場合)  数百円〜千円程度 抗生物質の内服薬やビタミン剤、漢方薬が追加された場合。

これらを総合すると、1回の通院にかかるトータルの費用は、薬局での支払いも含めて概ね1,500円〜3,000円程度に収まるケースが一般的です 。継続しやすい価格設定であることも、この治療の大きなメリットです。

ディフェリンゲル1本(15g)で何ヶ月もつかの目安と計画的な受診

処方されるディフェリンゲル1本の内容量は15gです。前述した1回の適量である「1FTU(約0.5g)」を厳守し、顔全体に毎日欠かさず使用した場合、1本でおよそ1ヶ月間(約30日分)使用することができます 。治療の初期段階で、刺激を避けるために少なめの量から始めている方の場合は、1本で1.5ヶ月ほどもつこともあります。ニキビ治療は継続が何より重要です。薬が完全になくなってから受診するのではなく、手元の薬が残り少なくなってきたタイミングで、計画的に次回の診察予約を取ることをお勧めします。

自由診療(自費診療)の治療への移行を検討するタイミング

多くのニキビは保険適用のディフェリンゲルや抗菌薬で改善に向かいますが、重症の嚢胞性ざそう(大きくぼこぼこと腫れたニキビ)や、クレーター状になってしまった深いニキビ跡、数ヶ月保険治療を続けても全く改善が見られない難治性のニキビに対しては、自由診療(自費診療)の選択肢を提案することがあります 。例えば、強力に皮脂分泌を抑える内服薬「イソトレチノイン(月額約16,500円)」や、赤みを消す「Vビームレーザー」、肌質を再生する「ダーマペン」や「ピーリング」などです 。まずは保険診療からしっかりとスタートし、経過を見ながら専門医と一緒に最適な治療のステップアップを検討していきます 。

よくある質問

Q
症状が悪化しているように感じますが、いつまで塗り続けるべきですか?

A
使用開始から2〜3週間目は、赤み、ヒリヒリ感、皮むけといった「レチノイド反応」が最も強く出る時期です 。この反応を見て「ニキビが悪化した、薬が合わない」と誤解して使用を自己中断してしまう方が非常に多いですが、これは毛穴に詰まった古い角質が剥がれ落ちている正常かつ必要な過程です 。症状が我慢できる範囲であれば、保湿を徹底しながらまずは1ヶ月間継続してください 。次第に肌が慣れてツルツルになっていきます。ただし、痛みが強すぎて眠れない、顔が大きく腫れ上がる、黄色い汁が出るなどの異常な状態であれば、無理をせずに早めに皮膚科を受診してください 。
 

Q
副作用で使えないことはありますか。

A
日本で444名に行われた試験では、
軽症なものも含めると、8割の人に副作用が生じます。
特に最初の2~4週間に刺激感を感じます。
皮膚刺激症状で治療中止を希望した患者は1%程度でした。
 

Q
副作用への対策はありますか。

A
刺激感を軽減するために保湿剤の有用性が明らかになっています。
化粧水・乳液を洗顔後の基礎化粧品として使用している場合は、継続して使用しましょう。
化粧水・乳液を使用していない中高生や男性も、保湿剤を使用しましょう。処方も可能です。
 

Q
市販のニキビ用化粧品と併用できますか。

A
通信販売や薬局で購入できるニキビ治療薬には、ピーリング効果のあるものがあります。
アダパレンと併用することで皮膚刺激症状が増加することがあります。
いったん使用を控えましょう。 
 

Q
妊娠中、授乳中でも使用できますか。

A
妊娠中、授乳中の患者は使用が禁忌になっています。
アダパレン外用での催奇形性は証明されていません。
アダパレンを150倍量 外用したラット試験でも、催奇形性は認められませんでした。
アダパレンを120倍量 内服したラット試験でも、催奇形性は認められませんでした。
アダパレンと同じジャンルのお薬であるレチノイドの 内服治療においては催奇形性が知られています。
そのため、アダパレンでの催奇形性の報告はこれまでにないものの、妊娠中・授乳中の患者さんでは使用をしないようにします。
 

Q
小児でも使用できますか。

A
日本の臨床試験は12歳以上の患者に行われていたため、12歳以上であれば安全性のエビデンスがあります。
12歳未満のニキビ治療についてもご相談ください。
 

Q
ニキビが治った後も、予防として塗り続けたほうが良いですか

A
はい、治った後も継続して塗り続けることを強く推奨します。目立つ赤ニキビや白ニキビが消えて肌が綺麗になったように見えても、肌の奥には目に見えない「微小面ぽう(毛穴の詰まりの初期段階)」がまだ潜んでいる可能性が高いです 。良くなったからといってすぐに薬をやめると、再び毛穴が詰まり、ニキビが再発する負のループに陥りやすくなります。皮膚科学会のガイドラインにおいても、症状が落ち着いた後の「寛解維持療法」としてディフェリンゲルを継続することが推奨されています 。肌質が根本から改善され、新しいニキビができにくい肌になるまでの6ヶ月〜1年程度は、予防薬として毎日のスキンケアルーティンに組み込んで塗り続けることが理想的です 。
 

Q
ディフェリンゲルの使用中にメイク(化粧)はできますか?

A
はい、ディフェリンゲルでの治療中もメイクをしていただくことは可能です。ただし、薬の作用によって肌が乾燥しやすく敏感になっているため、油分の多いリキッドファンデーションや、毛穴を強力に塞いでしまう下地は極力避け、「ノンコメドジェニックテスト済み(ニキビの原因になりにくい)」と記載のあるミネラルコスメなど、肌に優しい化粧品を選ぶことが推奨されます 。また、メイクを落とす際のクレンジングでゴシゴシと強く擦ると、肌のバリア機能にダメージを与え、赤みや乾燥などの副作用をさらに悪化させてしまいます 。摩擦の少ないジェルタイプやミルクタイプのクレンジングを多めに使用し、指の腹で優しく撫でるようにメイクを浮かせ、ぬるま湯でそっと洗い流すようにしてください 。
≪監修者プロフィール≫
監修医師うらた皮膚科 院長 浦田透
保有資格日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
経歴
平成23年 中京病院 研修医
平成25年 中京病院 皮膚科
平成26年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科
平成27年 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科
平成28年 名古屋大学医学部附属病院 医員
平成30年 名古屋大学医学部附属病院 病院助教
平成31年 名古屋大学医学部附属病院 助教
令和3年4月 うらた皮膚科 副院長
令和3年11月 うらた皮膚科 院長