ディフェリンとは

ニキビ治療の世界標準

日本皮膚科学会のガイドライン
米国皮膚科学会雑誌のガイドライン
において、
ほとんど全てのニキビ患者にとって「ディフェリンor/and抗菌薬併用治療」が第一選択治療として強く推奨されています。
 

ディフェリンのはたらき

毛穴詰まりを改善することで、ニキビ治療、ニキビ予防効果があります。

ディフェリンがなぜ大切か

あらゆるステージに効果的です!

ニキビのステージ解説
  • 炎症のある赤ニキビだけでは無く、炎症が無い白ニキビにも効果があるため、より早期にニキビを治療できます。
  • さらに、微小面ぽうの段階でも治療効果があるため、継続して使用することで新しいニキビが出きにくくなります。

 

各ステージの解説

微小面ぽう(ニキビ予備軍)

  • 毛穴つまりが始まったけど、はっきりニキビがみられない段階。
  • この段階で治療効果があるのがディフェリンの良いところです。
  • そのため、ディフェリンはニキビが出来やすい部位に広範囲に塗ります。

白ニキビ(コメド、面ぽう)

  • 炎症が生じていない状態です。
  • この状態はニキビ菌が増殖しておらず、抗菌薬は不要です。
  • 白ニキビ治療は、ディフェリンかベピオが大切です。

赤ニキビ

  • ニキビ菌が増殖して、炎症が生じてた段階です。
  • 抗菌薬とディフェリンを併用して治療します。
  • ディフェリンは赤ニキビにも効果がありますが、それだけではありません。
  • 赤ニキビあるところ、ニキビ予備軍や白ニキビも必ず同時に混在しています。
  • ディフェリンで治療をしながら、新しいニキビを予防していきます。

ディフェリンの臨床研究

日本人100人に行った3カ月間の効果

  • 白ニキビ(非炎症性皮疹)の平均減少率は、1週間後23%、1カ月後50%、3カ月後65%。
  • 100人中56人に副作用を認め。乾燥37人、皮むけ18人、不快感16人、赤み8人、かゆみ5人。
  • 副作用は主に軽度~中等度で、一時的な出現であった。

 

ディフェリンの副作用と副作用対策

副作用

日本人444人に行った長期投与(12カ月間)の効果・安全性の研究(※5)

副作用は444例中373例(84.0%)に認めた。

主な副作用

444名中、

乾燥60.4%

不快感54.7%

皮むけ36.9%

赤み25.0%

これらの多くが投与開始後2週間以内に発現した。

投与中止に至った副作用

444名中、

ニキビの悪化5例、

かぶれ1例

乾燥1例

痒み1例

あかみ1例

不快感1例

めまい1例。

重篤な副作用

無し

 

副作用への対策

以下の方法が有効です。

  • 濃度を薄める(0.03%濃度でも有効と報告されています)。(※6)
  • 塗布時間を短くする(夜塗って、1時間後に入浴時に落とすなど)。
  • 使用頻度を調節する(1-3日おきに使用するなど)。
  • 違うピーリング剤に変更してみる。ベピオ(保険)、アゼライン酸(自費)。

 
また、副作用の症状が強いときには、一時的にステロイド外用剤を使用することも有効です。
 

ディフェリンの使い方

自分には効果が無かった‥‥?!

良いお薬なのは理解できたけど、
自分には効果が無かった。
自分には副作用で使えなかった。
 という方もみえます。
 
まずは次の2点を確認しましょう。

効果が出るのに時間がかかります。
効果が出るのに時間がかかる薬であることを認識せずに使用している方もいます。
2週間も頑張って治療したら、何かしらの効果があってしかるべき!と思うのは普通ですね。
しかし、アダパレンの治療効果判定は3カ月後です。
早期に治療効果が無いと判断して、治療をやめないようにしてください。
効果が無い時には、より強い治療に切り替えることも可能です。
効果がないから治療もあきらめてしまい、受診もしなくなるということが無いようにしましょう。
ますますニキビが増悪してしまいます。

 

初期のしげき症状のいろいろな対策。
治療開始2週間以内にはじまるしげき症状のため、治療を続けれない方もみえます。
しかし、使い方を工夫することで、使用を継続できることもあります。
ピーリング剤の使用は、白ニキビへの治療効果や、新しいニキビの抑制効果のためニキビ治療には必須です。
使えないから治療をやめてしまうと、ニキビはますます悪くなってしまいます。
どのように使えばよいのか、あるいは使用できない方にはどのような代替治療があるのかご案内させていただいています。 

正しい使い方

 1日1回1FTU(およそ0.5g)を就寝前に全顔に塗布。

 
 2週間目までの刺激感は、保湿をしっかり行い乗り切る。
洗顔→保湿薬→アダパレンの順に使用します。
保湿だけでは乗り切れないこともあります。
その場合は、下記( 副作用と副作用対策)に紹介した方法などで対応します。
 
 3カ月継続する。
治療効果判定は、2-3か月後に行います。

よくみる間違った使い方

使用開始後1カ月目に効果判定をし、効果が無いので中止した。

コメド主体(白ニキビ)であれば1か月で効果があることもあります。
赤ニキビ主体であれば、1か月で効果が出ないことが多く、2~3カ月は継続してから効果判定をします。
 

赤ニキビへのピンポイント使用。

新しいニキビをできにくくする効果があります。
ニキビが出来やすいエリアに広めに使います。
顔全体に塗ってしまうのがお勧めです。
 

最初の2週間で皮膚刺激症状が生じたので使用を中止した。

刺激反応は、軽微なものを含めると80%以上の人にみられます。
臨床試験を中止せざるをえない刺激反応は1%程度でした。
刺激反応とかぶれの判断は難しいので、副作用が強いときは早めの再診をお願いします。
強い刺激反応については対策方法がたくさんあります。
一方で、
接触皮膚炎(アレルギー性にかぶれてしまう)の頻度は1%以下(1/444)ですが、かぶれてしまう方は使用できません。
 

1日2回外用して強い皮膚刺激反応が出た。

1日1回です。
効果不十分で治療を強くしたいときは、エピデュオ®(アダパレン+過酸化ベンゾイル合剤)が保険診療で可能です。

よくある質問

Q
副作用で使えないことはありますか。

A
日本で444名に行われた試験では、
軽症なものも含めると、8割の人に副作用が生じます。
特に最初の2~4週間に刺激感を感じます。
皮膚刺激症状で治療中止を希望した患者は1%程度でした。
 

Q
副作用への対策はありますか。

A
刺激感を軽減するために保湿剤の有用性が明らかになっています。
化粧水・乳液を洗顔後の基礎化粧品として使用している場合は、継続して使用しましょう。
化粧水・乳液を使用していない中高生や男性も、保湿剤を使用しましょう。処方も可能です。
 

Q
市販のニキビ用化粧品と併用できますか。

A
通信販売や薬局で購入できるニキビ治療薬には、ピーリング効果のあるものがあります。
アダパレンと併用することで皮膚刺激症状が増加することがあります。
いったん使用を控えましょう。 
 

Q
妊娠中、授乳中でも使用できますか。

A
妊娠中、授乳中の患者は使用が禁忌になっています。
アダパレン外用での催奇形性は証明されていません。
アダパレンを150倍量 外用したラット試験でも、催奇形性は認められませんでした。
アダパレンを120倍量 内服したラット試験でも、催奇形性は認められませんでした。
アダパレンと同じジャンルのお薬であるレチノイドの 内服治療においては催奇形性が知られています。
そのため、アダパレンでの催奇形性の報告はこれまでにないものの、妊娠中・授乳中の患者さんでは使用をしないようにします。
 

Q
小児でも使用できますか。

A
日本の臨床試験は12歳以上の患者に行われていたため、12歳以上であれば安全性のエビデンスがあります。
12歳未満のニキビ治療についてもご相談ください。