ニキビと漢方薬

  • 漢方薬はニキビ治療の補助的な役割を持っています。
  • 日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度C1(他の治療が無効であれば推奨する)となっています。
  • 当院では、アダパレン、過酸化ベンゾイル、抗菌薬を用いた保険治療がニキビ治療の中心として最も重視しています。
  • 漢方薬も積極的には処方しているわけではありませんが、ご希望に応じて処方しています。
  • 次のような人は良い適応かと思いますのでご相談ください。

難治性ニキビで保険で出来ることを試してみたい。
以前使用した時に調子が良かった。

主な漢方薬

当院のオススメ 

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C1。

皮膚の効能:化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹など

適応証(体質)は、中間証(体力中くらい)となります。

抗炎症作用、抗酸化作用、皮脂分泌抑制作用などがあると考えられている。

炎症性を改善する作用から、炎症性ニキビによって生じるニキビ跡が生じにくくなるという論文報告があります。

荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C1。

皮膚の効能:にきび。

適応証(体質)は、中間証~やや虚証(体力中くらい)、熱証(炎症)。

慢性的に炎症を期待しているニキビに用います。

柴苓湯(サイレイトウ)

体の免疫反応を調整し、炎症をやわらげる働きをします。

大きな赤ニキビや、ニキビ跡を生じる難治性ニキビに対して、標準治療の補助治療として良好な報告が複数ある。

 

その他、ニキビに使われるもの

清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C1。

皮膚の効能:炎症を起こしているニキビ

適応証(体質)は、熱証(赤ら顔・のぼせ)、実証(体力充実)。

黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C2。

皮膚の効能:皮膚のかゆみ

適応証(体質)は、実証(体力充実)、熱証(暑がり)、気上衝(のぼせ・イライラ・緊張・不安)。

温清飲(ウンセイイン)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C2。

皮膚の効能:湿疹・皮膚炎

適応証(体質)は、中間証~やや虚証(体力中くらい)、熱証(のぼせ)、燥証(乾燥)

温経湯(ウンケイトウ)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C2。

皮膚の効能:湿疹・皮膚炎、乾燥など

適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、燥証(乾燥)、血虚(血流不足・貧血症状)。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)

皮膚科学会ガイドラインで推奨度C2。

皮膚の効能:しもやけ、しみ、湿疹・皮膚炎、にきび

適応証(体質)は、中間証(体力中くらい)、血流の停滞(鬱血、腫れ)