コレクチム軟膏とは
コレクチム軟膏とは
コレクチム軟膏(有効成分:デルゴシチニブ)は、皮膚の過剰な免疫反応を抑えることで、皮膚の炎症をしずめて、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を改善します。
アトピー性皮膚炎の塗り薬治療は、ステロイド外用薬が中心でした。
1999年、プロトピック軟膏がアトピー性皮膚炎治療の「第2の塗り薬」として登場しました。
2020年、約20年ぶりにアトピー性皮膚炎治療の新薬として、「第3の塗り薬」コレクチム軟膏が新登場しました。
2020年3月、コレクチム軟膏が2歳以上の小児にも適応となりました。
ステロイド外用薬に比べて、即効性・効果が少し劣りますが、長期使用の安全性が高いお薬です。
コレクチム軟膏はどんなお薬か
コレクチム軟膏は外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤と呼ばれる塗り薬です。
アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。
サイトカイン(IL-4、IL-13、IL-31など)が、免疫細胞や神経にくっつくと、JAK経路が活性化して、炎症やかゆみを引き起こします。
コレクチム軟膏は、JAK経路をブロックすることで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。
ステロイド外用剤やプロトピック軟膏とは異なる作用機序でアトピー性皮膚炎の症状を和らげる新しいお薬です。
コレクチム軟膏の作用機序
コレクチム軟膏とステロイド外用薬の比較
コレクチム軟膏とステロイド外用薬との違い
コレクチム軟膏はステロイド外用薬とは別の薬です。体の過剰な免疫反応をおさえてアトピー性皮膚炎のかゆみや炎症をおさえます。
コレクチム軟膏の炎症をおさえる効果はミディアム(マイルド)クラス~ストロングクラスのステロイド外用薬と同じくらいです。
コレクチム軟膏の副作用
コレクチム軟膏の副作用について
ステロイド外用薬の長期使用による、血管拡張や、皮膚が薄くなることがありません。
プロトピック軟膏の使い始めに伴う、ヒリヒリ感もありません。
コレクチム軟膏の副作用
アトピー性皮膚炎治療の塗り薬は、免疫細胞の過剰な活性を抑えます。免疫細胞を抑制するため、稀にニキビ・ヘルペスなどの皮膚表面の感染症を起こすことがあります。
皮膚につけるお薬という性質上、カブレる可能性が起こりえます。
コレクチム軟膏の使い方
コレクチム軟膏を塗る量の目安
1回に塗る量は5g(チューブ1本)までです。
コレクチム軟膏を使用する期間
見た目に治っているように見えても、皮膚の下では炎症がくすぶっていることがあります。
このような状態で塗るのをやめてしまうと、すぐぶり返してしまうかもしれません。
炎症の火種が消えた状態を保つことが大切です。
皮膚がどのような状態になるまで薬を塗り続けるか、どうなったら塗る回数を減らすか、など塗り薬の使い方のアドバイスは皮膚科医からの指示を守るようにしてください。
当院でも外来受診時にご説明させていただいております。
コレクチム軟膏の費用
コレクチム軟膏0.5%は、1本217円(3割負担のとき)かかります。
コレクチム軟膏0.5%の費用
3割負担のとき | 1本217円 |
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1割負担の時 | 1本72円 |
コレクチム軟膏0.25%の費用
3割負担のとき | 1本209円 |
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1割負担の時 | 1本70円 |