リンヴォックとは

アトピー性皮膚炎とリンヴォックについて

リンヴォック(JAK阻害薬)は、皮膚の過剰な免疫反応を抑えることで、皮膚の炎症をしずめて、アトピー性皮膚炎の皮膚症状を改善します。
アトピー性皮膚炎の飲み薬は、抗ヒスタミン薬とステロイド内服薬が中心でした。
2008年、ネオーラル(シクロスポリン)がアトピー性皮膚炎治療の新しい飲み薬治療として登場しました。
2020年、約10年ぶりにアトピー性皮膚炎治療の新しい飲み薬としてJAK阻害薬が新登場し、各メーカーから相次いで発売されています。
2020年、JAK阻害薬の第1段「オルミエント(バリシチニブ)」登場。
2020年、JAK阻害薬の軟膏「コレクチム軟膏(デルゴシチニブ)」も発売開始。
2021年、JAK阻害薬の第2弾「リンヴォック(ウパダシチニブ)」登場。リンヴォックでは12歳以上の小児にも適応があります。
2021年、JAK阻害薬の第3番「サイバインコ(アブロシチニブ)」が、9月に製造販売承認を取得し、まもなく新発売です。
 

リンヴォック治療開始をご希望される際には、胸部レントゲン検査が必須になります。
基幹病院などにご紹介させていただいています。

  

リンヴォックはどんなお薬か

リンヴォックはJAK阻害剤の飲み薬です。
アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。
リンヴォックは、サイトカインの産出を制御することで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。
 

 
 

リンヴォックの有効性

AD Up試験

中等症から重症の青少年及び成人アトピー性皮膚炎患者の治療での副腎皮質ステロイド外用薬併用下のウパダシチニブの有効性及び安全性をプラセボと比較するウパダシチニブの有効性及び安全性をプラセボと比較する。

16週時のEASI 75達成率、投与16週時のIGA≦1達成率(いずれも vs プラセボ群)を評価する。

結果

リンヴォックの有効性(EASI-75達成

投与16週時投与16週時のEASI 75を達成した被験者の割合は、プラセボ群と比較して本剤15mg投与群及び本剤30mg投与群で統計学的計学的に有意に高かった。

EASIスコアとは
Eczema Area and Severity Indexスコアは、湿疹の範囲と重症度をスコアにして重症度を判定します。
頭、手、足、体の4部位をそれぞれ、重症度と皮膚病変の面積をスコア化して、全般的な評価を行います。
0~72点で評価をします。
0点=症状無し、0.1~1.0点=ほぼ寛解、1.1~7.0点=軽症、7.1~21.0点=中等症、21.1~50.0点=重症、50.1~72.0点=最重症
EASI75=治療により、EASIスコアが75%改善した患者の割合 


 

リンヴォックの有効性(IGAスコア改善)

投与16週時投与16週時のIGAが0又は1であり、かつベースラインと比較して2グレード以上改善した被験者の割合は、プラセボ群とのIGAが0又は1であり、かつベースラインと比較して2グレード以上改善した被験者の割合は、プラセボ群と比較比較して本剤15mg投与群及び本剤30mg投与群で統計学的に有意に高かった。

皮膚病変IGAスコアとは
医師による皮膚病変の全般的な評価を0~4点の5段階でおこないます。
0=消失。皮膚病変が無い。
1=ほぼ消失。皮膚病変がかろうじて認識できる。
2=軽症。炎症所見(赤み)があり、進行した炎症所見(丘疹)も少しある。
3=中等症。炎症所見(赤み)も、進行した炎症所見(丘疹)もある。
4=重症。進行した炎症所見(丘疹)が広範囲にある。


 

リンヴォックの有効性(かゆみNRSの改善)

投与16週時の最悪のかゆみNRSがベースラインで4以上であった被験者のうち、最悪のかゆみNRSがベースラインから4以上改善した被験者の割合は、プラセボ群と比較して本剤15mg投与群及び本剤30mg投与群で統計学的に有意に高かった。
ここの改善効果は投与1週時及び4週時でも認められ、速やかな効果発現があることを示しました。

かゆみNRSスコアとは
痒みの重症度を評価するための患者報告型のスコア。
患者は以下の質問に回答することで、0~10点の11段階で評価します。
「過去24時間で最もひどかった時の痒みの重症度を、0~10点の間の数値(0は全く痒みが無い状態、10は想像できる最もひどい痒み)でお答えください。」


 
 

リンヴォックの副作用

リンヴォックの副作用


 

リンヴォックの注目すべき副作用