デュピクセントとは
アトピー性皮膚炎の初の生物学的製剤(抗体医薬)です!
IL-4/13によるシグナル伝達を阻害し、アトピー性皮膚炎の病態に深く関与するTh2型炎症反応を抑える、世界初のヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体(生物学的製剤)です。
アトピー性皮膚炎治療の中で最強の治療薬の一つです。
どんなお薬か
アトピー性皮膚炎の病態には、サイトカインと呼ばれる物質が関与しています。
デュピクセントは、アトピー性皮膚炎の病態の中心となるサイトカインIL-4、IL-13の両方の働き抑制することで、皮膚の炎症やかゆみを抑え、アトピー性皮膚炎を改善します。
デュピクセントの有効性
成人アトピー性皮膚炎患者さん740名の国際共同試験
治療方法 | 成人のアトピー性皮膚炎患者にデュピクセントとステロイド外用薬を併用した場合の長期有効性、長期安全性を評価する。 3つのグループに分けて(デュピクセント毎週+ステロイド外用、デュピクセント2週毎+ステロイド外用、デュピクセント無し+ステロイド外用)52週間治療し、その後12週間フォローアップした。 |
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参加条件 | 成人アトピー性皮膚炎患者(18歳以上70歳以下) アトピー性皮膚炎の病歴が3年以上 病変の範囲が体表面積の10%以上 IGAスコアが3(中等症)以上 EASIスコア16以上 そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均が3点以上 ストロングクラス以上に相当するステロイド外用薬の投与で効果不十分 |
結果 |
EASEスコア(湿疹病変の面積と重症度の指標)が著名に改善した。「EASI-50達成」とは、「EASEスコアが50%以上低下」すること。
EASIスコア変化率の推移治療開始早期から奏功し、その後良い状態を維持できた。
IGA≦1(消失/ほぼ消失)※を達成した患者の割合皮膚病変がほぼ消失(IGA≦1)した患者が3人に1人 |
デュピクセントの安全性
成人アトピー性皮膚炎患者さん740名の国際共同試験
結果(安全性) |
副作用副作用はプラセボ群で29.2%(92/315例)、デュピクセント群で34.6%(147/425例)に発現しました。 主な副作用はプラセボ群でアトピー性皮膚炎、注射部位反応、鼻咽頭炎等、デュピクセント群で注射部位反応、頭痛、アレルギー性結膜炎等でした。 重篤な有害事象はプラセボ群で16例(蕁麻疹1例、アトピー性皮膚炎1例等)、デュピクセント群で14例(アトピー性皮膚炎2例、皮膚有棘細胞癌2例等)に発現しました。 投与中止に至った有害事象はプラセボ群で25例(アトピー性皮膚炎15例、蕁麻疹1例等)、デュピクセント群で11例(注射部位反応2例、アトピー性皮膚炎1例等)でした。 本試験において、死亡例は1例でした(交通事故) 。
重度の感染症等の有害事象(52週間)デュピクセント群425例、及びプラセボ群315例において、 重度の感染症がデュピクセント群で1例(0.2%)、プラセボ群で5例(1.6%) 非経口抗菌薬による治療を要する感染症が5例(1.2%)及び3例(1.0%) 2週間を超える経口抗菌薬・抗ウイルス薬・抗真菌薬による治療を要する感染症が3例(0.7%)及び6例(1.9%) 日和見感染症が3例(0.7%)及び11例(3.5%) 臨床的な内部寄生虫感染が1例(0.2%)及び0例に発現しました。
結膜炎の有害事象(52週間)デュピクセント群425例、及びプラセボ群315例において、 結膜炎の有害事象がデュピクセント群で76例 (17.9%)、プラセボ群で25例(7.9%)に発現しました。 重度の結膜炎及び結膜炎による投与中止例は両群ともにありませんでした。 |
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