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粉瘤がつぶれた・膿が出たらどうする?受診までの対処と、その後の治療

最終更新日:2026-10-23

粉瘤(ふんりゅう)がつぶれて膿や血が出たら、まずは触るのをやめ、出血があれば清潔なガーゼで押さえます。出血が落ち着いたら傷の表面を流水でやさしく洗い、ガーゼなどで保護してください。中身を出し切ろうとして、さらに絞ったり、針を刺したりすることは避けましょう。[6][7]
膿が出てしこりが小さくなっても、粉瘤の袋が皮膚の中に残っていることがあります。「つぶれたから治った」と自己判断せず、皮膚科でその後の治療を相談してください。赤みが広がる、痛みが強い、発熱がある場合は、当日中の受診が必要です。
 
この記事の内容
応急処置 / 受診の目安 / 膿が出たら治る? / 避けたい自己処置 /
皮膚科での治療 / よくある質問 / 当院への相談

粉瘤がつぶれたときに行う応急処置

ここで紹介するのは、受診までに傷を清潔に保ち、保護するための手当てです。粉瘤の袋や、皮膚の奥に残った内容物を取り除く処置ではありません。

  1. 触るのをやめ、手を洗う
    自分でつぶしてしまった場合も、それ以上押さずに手を洗ってください。自然に出てきた内容物は、清潔なガーゼで表面をそっと拭き取る程度にします。
  2. 出血していれば、清潔なガーゼで押さえる
    傷の上にガーゼや清潔な布を当て、続けて圧迫します。何度もめくって確認せず、血がにじむ場合は上からガーゼを重ねます。周囲からつまんで膿を絞り出す動作はしないでください。出血が多い、圧迫しても止まらない場合は、速やかに医療機関を受診します。
  3. 出血が落ち着いたら、流水でやさしく洗う
    水道の流水で、傷の表面についた内容物や汚れを洗い流します。強くこすったり、穴の奥に綿棒を入れたり、勢いよく水を注ぎ込んだりしないようにしましょう。
  4. 清潔なガーゼや吸収パッドで保護する
    傷にくっつきにくいガーゼやパッドを当て、テープなどで軽く固定します。濡れたり、膿や血で汚れたりしたら交換してください。衣服でこすれる場所は、傷の保護も大切です。

ガーゼを当てて止血することと、膿を絞り出すことは違います。 傷の上を押さえて出血を止めるようにし、中身を出そうと周囲を強くつままないでください。

どのくらい急いで受診すればよいですか

つぶれた粉瘤は、痛みが軽くなった場合も一度診察を受けることをおすすめします。受診の緊急度は、出血、赤みの広がり、痛み、発熱などで変わります。

症状や状態 受診の目安
ガーゼで圧迫しても出血が止まらない、出血量が多い 速やかに医療機関へ。時間外は救急外来などに相談してください。
赤みや腫れが周囲へ広がる、痛みや熱感が強い・増している、発熱や悪寒がある 当日中に受診してください。
膿や血が出続ける、しこりや穴が残る、同じ場所が繰り返し腫れる 早めに皮膚科・形成外科で診察を受けてください。
中身が出て小さくなり、痛みや赤みも落ち着いた 緊急性は高くないことが多いですが、残ったしこりや傷の状態を確認し、その後の治療を相談してください。

糖尿病がある方、免疫を抑える治療を受けている方は、炎症や排液がある場合、軽く見えても早めに相談してください。
受診先は、まず皮膚科や形成外科が目安です。ただし、粉瘤と診断されたことのないできものは、別の病気の可能性もあります。「粉瘤だろう」と決めつけず、診察で確認しましょう。
脇やおしりなどで膿の出るできものを繰り返す場合は、化膿性汗腺炎など、粉瘤とは異なる病気の場合もあります。肛門のすぐ近くの腫れや排膿では、肛門周囲膿瘍や痔ろうなども考えられるため、外科・肛門科での診察が必要になることもあります。

膿や白い塊が出て小さくなったら治ったのでしょうか

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質などがたまるできものです。袋の中身が外へ出るとしこりがしぼむことはありますが、内容物が出たことと、袋まで取り除けたことは同じではありません。
粉瘤が赤く腫れた後に自然に破れ、内容物が出ることを「自壊(じかい)」と呼ぶことがあります。自分で押してつぶした場合も、自然に破れた場合も、袋が残っていれば再び内容物がたまり、腫れる可能性があります。
白い塊や「芯」のようなものが出ても、それだけでは袋が全部取れたと判断できません。穴の中に残っているものを確認しようとして、指やピンセットを入れないでください。
また、出てくる白色〜黄白色のものには、たまった角質などが含まれます。臭いの強い内容物が出ることもありますが、見た目や臭いだけで、細菌感染の有無は判断できません。
粉瘤では、袋が破れて中身が周囲の組織に漏れること自体が、炎症の原因になります。そこに細菌感染が加わることもあるため、治療は赤み、腫れ、痛み、発熱などを確認して決めます。

つぶれた後に避けたい自己処置

「まだ残っていそう」「もう少し押せば全部出そう」と思っても、無理にいじらないでください。自己処置で傷を広げると、炎症や感染、傷跡につながるおそれがあります。

  • 指で強く絞る・繰り返し押す
    中身を出し切ろうとして、患部をもみ続けないでください。
  • 針を刺す・穴を広げる
    自宅での切開や、針による排膿は行わないでください。
  • 白い塊や袋のようなものを引き抜く
    見えているものが何かを自己判断せず、引っ張らないでください。
  • 穴に綿棒やガーゼを詰める
    傷の奥の処置は医療機関で行います。ご自身で詰め物をする必要はありません。

洗浄は流水を基本とし、傷の穴へ消毒薬を流し込んだり、何度も強く消毒したりすることは避けましょう。すでに今回の傷について医師から処置方法を指示されている場合は、その指示に従ってください。

皮膚科ではどのように治療しますか

粉瘤がつぶれた後の治療は、「今ある炎症や排液への対応」と「再び腫れる原因になる袋への対応」を分けて考えます。全員が同じ日に同じ処置を受けるわけではなく、診察時の状態によって方針が変わります。

診察で炎症と内容物の残り方を確認します

まず、粉瘤かどうか、赤みや腫れがどこまで広がっているか、内容物が皮膚の中に残っていないかを確認します。つぶれた時期、繰り返しているか、発熱の有無、使用した薬なども診断の手がかりになります。
表面に穴が開いていても、十分に内容物が出ているとは限りません。痛みや腫れが続く場合は、処置が必要かどうかを判断します。

必要に応じて切開排膿や薬による治療を行います

中に膿などがたまり、強い痛みや腫れがある場合は、局所麻酔をして皮膚を小さく切開し、内容物を出す「切開排膿」を行うことがあります。自然に破れた後でも、排出が不十分なら追加の処置が必要になる場合があります。
抗菌薬を使用するかどうかは、細菌感染の疑い、赤みの広がり、発熱、体調などをみて判断します。炎症性粉瘤のすべてに抗菌薬が必要なわけではありません。 また、内容物がたまっている場合は、薬だけで十分に改善しないことがあります。
処置後は、傷の状態に応じて洗い方、ガーゼ交換、再診の時期をお伝えします。排液が続く間は、そのまま放置せず、指示された方法で保護と交換を続けてください。

炎症が落ち着いてから袋を取り除く手術を検討します

切開排膿で症状が楽になっても、袋が残っている場合があります。再び腫れる可能性を減らすため、必要に応じて袋を取り除く手術を検討します。炎症が強いときは、先に内容物を出す処置を行い、袋の摘出を後日にすることがあります。

治療 主な目的 知っておきたいこと
切開排膿 たまった内容物を出し、痛みや腫れを改善する 袋が残ると、再び内容物がたまることがあります。
抗菌薬などの薬 必要な場合に、細菌感染などへ対応する 袋そのものを取り除く治療ではありません。
袋を取り除く手術 粉瘤を袋ごと除去し、再発の可能性を減らす 炎症、部位、大きさ、傷の状態により、方法と時期を決めます。

手術の時期は「つぶれてから何日後」と一律には決められません。また、診察で粉瘤と確認され、炎症や痛みがなく、生活への支障も少ない場合は、経過をみる選択肢もあります。繰り返す腫れ、残ったしこり、ご本人の希望を踏まえて相談します。
手術には傷跡が残り、出血や感染、再発などの可能性もあります。治療を選ぶ際は、見込まれる効果と傷への影響を含めて説明を受けましょう。
粉瘤の手術方法と費用についてはこちら

粉瘤がつぶれたときのよくある質問

Q
絆創膏やキズパワーパッドを貼ってもよいですか?

A
受診までは、内容物を吸収できる清潔なガーゼや、傷にくっつきにくいパッドで保護してください。普通の絆創膏を使う場合も、吸収部分が傷を十分に覆う大きさを選び、汚れたら交換します。
膿が出ている、赤み・熱感・痛みがある状態で、キズパワーパッドなどのハイドロコロイド絆創膏を自己判断で使用することは避けましょう。メーカーも、感染がある傷や感染の可能性がある傷には使用しないよう案内しています。診察後に使う保護材は、傷の状態に合わせて選びます。
 

Q
つぶれた後はシャワーや入浴をしてもよいですか?

A
受診までは、出血が止まっていれば、シャワーの流水で傷の表面をやさしく洗い、洗った後は清潔なガーゼなどで保護します。傷を強くこすったり、長く湯船につかったりすることは避けてください。切開や手術を受けた後のシャワー・入浴の開始時期は、処置内容によって異なるため、医師の指示に従ってください。
 

Q
塗り薬だけで治せますか?

A
抗菌薬の塗り薬を使っても、粉瘤の袋そのものを取り除くことはできません。薬を使うか、内容物を出す処置が必要かを診察で判断します。以前ほかの症状に処方された薬を自己判断で使い続けず、今回の患部について相談してください。すでに今回の粉瘤に処方されている薬は、指示どおり使用しましょう。
 

Q
膿が出続けるときは、出し切ったほうがよいですか?

A
自分で絞り続けないでください。傷の中に内容物が残っている、炎症が続いている、粉瘤とは別の病気である可能性などを確認する必要があります。ガーゼで保護して早めに受診し、赤みが広がる、痛みが増す、発熱がある場合は当日中に相談してください。
 

Q
つぶれた後の穴は、そのまま閉じてよいですか?

A
自分で穴を広げたり、接着剤などで閉じたりしないでください。排液の有無や傷の深さによって、必要な処置が異なります。また、表面が閉じても、皮膚の中に袋が残っていることはあります。しこりが残る、再び腫れる場合は診察を受けてください。
 

Q
ガーゼ交換はいつまで必要ですか?

A
排液や出血がある間、衣服との摩擦から傷を守る必要がある間は、保護を続けます。終了時期は、傷の大きさ、排液の量、行った処置などによって異なります。「何日で必ず外せる」とは決めず、受診時の指示に従ってください。
 

Q
つぶれた粉瘤も、受診した日に手術できますか?

A
当院では粉瘤の日帰り手術に対応していますが、その日に袋の摘出まで行うかは診察で判断します。炎症や排液の状態によっては、当日は切開排膿などを行い、袋を取り除く手術は後日にご相談する場合があります。診察時に治療の進め方をご案内します。

粉瘤がつぶれたときはうらた皮膚科へご相談ください

名古屋市南区のうらた皮膚科では、粉瘤の診察と日帰り手術を行っています。「急につぶれて膿が出た」「血が出ている」「しこりが小さくなったが残っている」「同じ場所が何度も腫れる」といった症状もご相談ください。
当院では、皮膚科専門医が患部の状態を確認し、処置や手術の方法・時期をご案内します。診察結果に応じて受診当日の処置・手術に対応し、炎症の状態によっては袋の摘出を後日に行う方針をご提案します。
初診の方も当日WEB順番受付をご利用いただけます。直接ご来院いただくことも可能です。来院時には、いつからしこりがあったか、いつつぶれたか、発熱があるか、使用した薬があるかをお伝えください。
初めて受診する方へ
WEB順番受付のご案内

≪監修者プロフィール≫
執筆・監修: うらた皮膚科 院長 浦田透
保有資格: 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
経歴:
平成23年 中京病院 研修医
平成25年 中京病院 皮膚科
平成26年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科
平成27年 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科
平成28年 名古屋大学医学部附属病院 医員
平成30年 名古屋大学医学部附属病院 病院助教
平成31年 名古屋大学医学部附属病院 助教
令和3年4月 うらた皮膚科 副院長
令和3年11月 うらた皮膚科 院長
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