鼻の黒ずみ(いちご鼻)とは?皮膚科専門医が解説する基本知識
鼻の毛穴に黒い点々が目立ち、まるでイチゴの表面のように見えてしまう状態は、一般的に「いちご鼻」と呼ばれ、多くの患者様が抱える代表的な肌トラブルの一つです。本記事は、皮膚科専門医である院長の監修のもと、医学的な根拠に基づいていちご鼻のメカニズムや正しい対処法をわかりやすく解説します。
皮膚科学の観点から見ると、この現象は単なる皮膚表面の汚れの付着ではなく、毛穴内部の複雑な生体反応と構造的な変化によって引き起こされる複合的な疾患状態であると言えます。私たち皮膚科専門医が正しい治療を選択するためには、まずこの「いちご鼻」がどのようなメカニズムで発生しているのか、その正体を正確に患者様に理解していただくことが不可欠だと考えています。
毛穴が目立つ「いちご鼻」の正体と発生メカニズム
いちご鼻の正体は、毛穴の出口(毛漏斗部)に形成された「角栓」という物質が主な原因となっています。人間の皮膚は常に新陳代謝(ターンオーバー)を繰り返しており、古くなった角質(タンパク質)は通常、目に見えない垢として自然に剥がれ落ちていきます。しかし、何らかの理由でこのターンオーバーのサイクルが正常に機能しなくなると、剥がれ落ちるべき角質が毛穴の中に滞留してしまいます。そこに、毛穴の奥にある皮脂腺から分泌された皮脂が混ざり合うことで、固形の「角栓」が形成されます。
初期段階の角栓は白や無色ですが、これが毛穴に詰まったまま長期間放置されると、角栓が徐々に大きくなり、毛穴の開口部から空気に触れる面積が増加します。空気に触れた皮脂成分(特にスクワレンなどの不飽和脂肪酸)は酸化反応を起こし、過酸化脂質へと変化します。この酸化プロセスによって角栓自体が黒く変色し、視覚的に目立つ「鼻の黒ずみ」として認識されるようになるのが、いちご鼻の根本的な発生メカニズムです。この段階にまで進行すると、角栓は強固に毛穴に固着しているため、一般的な家庭での洗顔やクレンジングだけで完全に取り除くことは極めて困難になります。
| 発生段階 | 皮膚内部での状態 | 視覚的な特徴 | |
| 第1段階(角質肥厚) | ターンオーバーの乱れにより、古い角質が毛穴の出口に蓄積し始める。 | 目立った変化はないが、肌に少しザラつきを感じる。 | |
| 第2段階(白角栓の形成) | 蓄積した角質と過剰に分泌された皮脂が混ざり合い、固形の角栓が形成される。 | 毛穴に白いポツポツとした詰まりが見える。 | |
| 第3段階(酸化と黒ずみ) | 毛穴を押し広げた角栓が空気に触れ、皮脂成分が酸化して過酸化脂質に変化する。 | 毛穴の先端が黒く変色し、いわゆる「いちご鼻」の状態になる。 | |
開き毛穴やメラニン毛穴との違いと見分け方
鼻の毛穴が目立つという悩みの中には、黒ずみ(いちご鼻)以外にもいくつかの異なる種類が存在します。最適な美容皮膚科治療を選択するためには、これらの違いを正確に把握し、ご自身の症状がどのタイプに該当するのかを見極めることが改善への第一歩となります。いちご鼻と混同されやすい代表的な症状として、「開き毛穴」と「メラニン毛穴」が挙げられます。
いちご鼻が「角栓や皮脂の酸化による物理的な詰まりと黒ずみ」を主な要因としているのに対し、開き毛穴は「過剰な皮脂分泌そのもの」や「加齢・紫外線ダメージによる真皮層のコラーゲン・エラスチンの減少(肌のたるみ)」が影響して発生します。開き毛穴の場合、毛穴の中に角栓が詰まっていなくても、毛穴の出口がすり鉢状に広がっているため、照明の当たり具合によって影が落ちて黒く見えてしまうことがあります。この場合、角栓を取り除く治療を行っても毛穴の影は消えないため、肌のハリを取り戻すアプローチが必要になります。
一方でメラニン毛穴は、毛穴の周囲の皮膚にメラニン色素が過剰に沈着している状態です。長期間にわたる過度な摩擦(無理な角栓の押し出しや強力な毛穴パックの多用)や紫外線の影響により、皮膚が微弱な炎症を起こし、その防御反応として色素沈着が引き起こされます。メラニン毛穴の場合は、毛穴に触れてもザラザラとした感触はなく、皮膚そのものが茶色や黒色に色素沈着を起こしているのが特徴です。このように、見た目は似ていても原因は全く異なる場合があるため、専門的な視点での鑑別が重要となります。
鼻の黒ずみが進行するとどうなる?代表的な症状と段階
鼻の黒ずみは、ある日突然真っ黒になるわけではありません。皮膚内部での微細な変化から始まり、徐々に進行していくという特徴を持っています。段階ごとの症状と皮膚の生化学的な変化を深く理解することで、現在の状態に対する適切なアプローチを検討し、重症化を防ぐことができます。
初期症状:触るとザラザラする微小な角栓(マイクロコメド)
黒ずみが視覚的に目立つ前の初期段階では、「マイクロコメド(微小面皰)」と呼ばれる極めて小さな角栓が毛穴に形成され始めます。この段階では、鏡で見ても明確な黒ずみとしては認識しづらいものの、洗顔時やスキンケアの際に鼻周りを指で優しく触れると、ザラザラとした微小な突起を感じることがあります。これは、毛穴内部で剥がれ落ちた角質と皮脂が初期の結合を起こし、毛穴の出口を物理的に塞ぎ始めているサインです。
このザラつきの状態は、皮膚の水分と油分のバランスが崩れ始めていることを示唆しており、肌内部が乾燥している(インナードライ)にもかかわらず、表面では皮脂が過剰に分泌されている状態が背景にあることが少なくありません。この段階で、ザラつきを取り除こうとして強い力で擦ったり、スクラブ入りの洗顔料を過度に使用したりすると、かえって皮膚のバリア機能を破壊し、症状を悪化させてしまいます。初期段階で適切な保湿とマイルドな角質ケアを導入することで、深刻な黒ずみへの進行を未然に防ぐことが可能です。
進行・重症化:酸化による明らかな黒ずみと炎症・ニキビへの移行
初期の角栓が放置され、毛穴の内部で成長を続けると、角栓が毛穴の壁を押し広げるように大きくなります。そして、皮膚表面に露出した部分が酸化し、明確な「黒ずみ(ブラックヘッド)」へと変化します。この段階になると、毛穴が物理的に長期間押し広げられているため、仮に角栓を取り除いたとしても毛穴の弾力が失われており、ぽっかりと開いたままになりやすく、再び皮脂や汚れが溜まりやすいという悪循環に陥ります。
さらに症状が重症化すると、詰まった毛穴の内部が嫌気性(酸素が極端に少ない状態)となり、皮膚の常在菌であるアクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)が異常増殖しやすい環境が整ってしまいます。アクネ菌は、角栓に含まれる皮脂を栄養源として活発に増殖し、その代謝過程で遊離脂肪酸や様々な炎症性物質を放出します。これにより、周囲の毛包組織が激しい炎症を起こして赤く腫れ上がり、痛みを伴うニキビ(赤ニキビや膿を持った黄ニキビ)へと発展するリスクが高まります。
単なる黒ずみから炎症性の皮膚疾患へと移行してしまうと、毛穴の壁が破壊され、治癒した後に色素沈着(シミ)やクレーター状の陥没(ニキビ跡)が残る可能性が非常に高くなります。真皮層にまで達したダメージは自然治癒が難しいため、炎症を起こす前の段階での早期の適切な専門的介入が強く推奨されます。
なぜいちご鼻になるのか?鼻の黒ずみを引き起こす根本的な原因
いちご鼻の発生は、単一の要因によるものではありません。日常生活の様々な要素や肌質、ホルモンバランスなどが複雑に絡み合い、毛穴の異常を引き起こします。根本的な原因を多角的に理解することは、後述する美容皮膚科での治療法や、自宅での予防ケアの効果を最大化するために非常に重要です。
角栓の形成と皮脂の過剰分泌のメカニズム
鼻や小鼻周辺は、顔の中でも特に皮脂腺の密度が高く、皮脂の分泌量が非常に多い部位(Tゾーン)です。皮脂は本来、皮膚表面に極薄の皮脂膜を形成し、体内からの水分の蒸発を防いだり、外部の刺激や細菌から肌を守ったりする不可欠なバリア機能を持っています。しかし、この皮脂分泌のコントロールが失われると、毛穴トラブルの最大の引き金となります。
皮脂の分泌量が増加する背景には、様々な要因が存在します。思春期における男性ホルモン(アンドロゲン)の増加や、女性の生理周期に伴う黄体ホルモン(プロゲステロン)の変動など、ホルモンバランスの変化が直接的に皮脂腺を刺激します。また、慢性的なストレス、睡眠不足、高脂質・高糖質な食生活(特に糖質の過剰摂取はインスリンの分泌を促し、結果的に皮脂分泌を促進します)なども、交感神経を刺激し皮脂分泌を活発にする原因となります。分泌量が毛穴の排出許容量を超えると、皮脂がスムーズに外へ流れ出ず、毛穴内部に留まりやすくなります。そこに剥がれ落ちた古い角質が混ざり合うことで、いちご鼻の主原因である角栓が形成されるのです。
| 皮脂分泌を過剰にする主な要因 | 生理的なメカニズム | |
| ホルモンバランスの変動 | アンドロゲンやプロゲステロンが皮脂腺のレセプターと結合し、皮脂の合成と分泌を直接的に促進する。 | |
| 食生活の乱れ | 糖質や脂質の過剰摂取が血中インスリン濃度を上昇させ、IGF-1(インスリン様成長因子)を介して皮脂腺を刺激する。 | |
| ストレス・睡眠不足 | 交感神経が優位になり、コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されることで皮脂腺の活動が活発化する。 | |
肌のターンオーバーの乱れと内部の乾燥(インナードライ)
皮膚細胞が一定の周期で生まれ変わる「ターンオーバー」の乱れも、いちご鼻を引き起こす重大な原因の一つです。健康な肌であれば、基底層で生まれた新しい細胞が徐々に押し上げられ、約28日周期で古い角質として剥がれ落ちます。しかし、加齢、睡眠不足、紫外線ダメージ、血行不良などが影響すると、この周期が遅れたり、逆に早まりすぎたりします。ターンオーバーが遅れると、古い角質が重層化して分厚く蓄積(角質肥厚)し、毛穴の出口を物理的に塞いでしまいます。
また、意外に思われるかもしれませんが「乾燥」もいちご鼻の隠れた大敵です。エアコンの使用や不適切なスキンケアにより肌の内部が乾燥すると、皮膚はこれ以上の水分の蒸発を防ごうとする防衛本能を働かせます。その結果、脳から皮脂腺に指令が出され、皮脂を過剰に分泌させて皮膚表面をコーティングしようとします。これは皮膚科学で「代償性脂漏(だいしょうせいしろう)」と呼ばれる現象であり、表面は脂っぽくてテカっているのに、内部はカサカサに乾燥しているという非常に厄介な状態(インナードライ)を生み出します。患者様ご自身が「自分は皮脂が多い脂性肌だ」と勘違いし、保湿を怠ったり洗浄力の強い洗顔を続けたりすることで、さらに皮脂分泌が加速するという負の連鎖が起きやすくなります。
誤ったスキンケア(洗いすぎ・触りすぎ)による悪循環
皮膚科専門医として最も注意を促したい原因の一つが、良かれと思って毎日行っている「過度なスキンケア」です。毛穴の汚れをスッキリ落とそうとするあまり、洗浄力の強すぎるクレンジング剤(オイルクレンジングでの長時間のマッサージなど)を使用したり、1日に何度も洗顔を行ったりすると、肌の潤いを保つために必要な保湿成分(セラミドや天然保湿因子など)まで根こそぎ奪い取ってしまいます。その結果、肌は急激な乾燥状態に陥り、前述したバリア機能の修復プロセスとして、さらなる皮脂の過剰分泌を引き起こします。
さらに深刻なのが「物理的な刺激(触りすぎ)」です。毛穴の角栓を指やピンセットで無理に押し出そうとしたり、粘着力の強い剥がすタイプの毛穴パックを頻繁に使用したりする行為は、角質層を物理的に無理やり引き剥がし、毛穴周辺の組織に深刻な微細損傷(マイクロトラウマ)を与えます。皮膚組織が傷つくと微弱な炎症が起こり、その修復過程で皮膚が硬く分厚く(錯角化)なります。これにより毛穴の出口が狭くなり、結果的に以前よりもさらに角栓が詰まりやすく、抜けにくい状態を自ら作り出してしまうという最悪の悪循環(やりすぎケアの逆効果)に陥ります。いちご鼻は「落としすぎても、触りすぎても悪化しやすい」という非常にデリケートな特性を持っていることを理解する必要があります。
産毛(うぶげ)による黒ずみの錯覚と毛穴への影響
角栓や皮脂とは全く異なるアプローチが必要な原因として、「産毛(うぶげ)」の存在が挙げられます。これは、毛穴に汚れが詰まっているわけではなく、毛穴から生えている産毛自体が原因で、毛穴が黒ずんで見えているケースです。鼻に生える産毛は非常に短く細いため、正常に伸びずに毛穴の中に埋もれやすく(埋没毛)、また皮脂と絡み合って滞留することがあります。
日本人の産毛には黒色のメラニン色素が多く含まれているため、これらが毛穴に密集して詰まったり、太い産毛が生えていたりすると、視覚的に黒い点として認識されます。これを角栓による黒ずみだと誤認して、必死に洗顔やピーリングを行っても、根本的な原因が「毛」であるため、症状は全く改善しません。私たち専門医がダーモスコピー(特殊な拡大鏡)などを用いて観察すると、黒ずみの正体が数本の束になった産毛であると判明するケースも決して珍しくありません。この場合はスキンケアではなく、医療脱毛などの全く異なるアプローチが必要になります。
美容皮膚科でできる鼻の黒ずみ(いちご鼻)のおすすめ治療法
ご自宅でのセルフケアにはどうしても限界があります。特に、3〜6か月以上正しいセルフケアを続けても毛穴の黒ずみや開きが改善しない場合や、毛穴パックの使いすぎで逆に毛穴が広がってしまったと感じる場合は、皮膚科・美容皮膚科への受診をご検討ください。美容皮膚科では、皮膚科学に基づいた専門的な医療機器や薬剤を使用し、毛穴トラブルの根本的な改善を目指します。
専門医による治療前のカウンセリングと肌状態の正確な見極め
当院のような美容皮膚科において最も重要視されるステップは、実際の治療を開始する前の「見極め」です。いちご鼻と一口に言っても、角栓の詰まりが主体(皮脂・角栓型)なのか、皮脂の過剰分泌が問題なのか、ターンオーバーの乱れや加齢による肌のたるみが影響している(たるみ型)のか、あるいは産毛が原因なのか、一人ひとり根本的な原因は異なります。
専門医が肌質、皮脂量、毛穴の開き具合、炎症の有無を詳細に診察し、患者様の状態に応じた最適な治療計画をオーダーメイドで提案します。場合によっては、すぐにレーザーなどの積極的な治療を行うのではなく、まずは日々のスキンケアの見直しや適切な保湿指導から開始し、肌の土台を整えながら経過を観察するという柔軟な対応をとることもあります。患者様のライフスタイルや許容できるダウンタイムを考慮した上で、最も効果的で安全な治療を選択することが専門医の役割です。
毛穴の詰まり・汚れを除去する治療(ハイドラスキン・ピーリング)
すでに強固に詰まって酸化してしまった角栓や黒ずみに対しては、肌への摩擦や負担を最小限に抑えながら、汚れを直接的に取り除く治療が推奨されます。
| 治療名 | 生理的なメカニズム | 期待できる効果・適応症状 | |
| ハイドラスキン | 水流(ウォータージェット)の力を利用し、美容成分を含む特殊な水流で毛穴の奥の皮脂や角栓を軟化させながら吸引・洗浄する最先端のピーリング治療です。ダウンタイムがほぼなく、施術直後から肌のツルツル感を実感しやすいのが特徴です。 | 毛穴の黒ずみ除去、角質除去、皮脂詰まりの解消、ニキビ予防。 | |
| ケミカルピーリング | サリチル酸マクロゴールなどの酸性の薬剤を肌に塗布し、皮膚表面の古い角質や毛穴に詰まった汚れを化学的に溶かして除去します。ターンオーバーを正常化させる効果に優れており、ニキビ治療にも頻繁に用いられます。 | ザラつきの改善、角質肥厚の解消、ターンオーバーの促進。 | |
ハイドラスキンは、顔全体や鼻などの局所的な汚れに対して非常に有効であり、渦巻き状の水流が毛穴の奥深くまで入り込み、物理的な圧出に頼らずに汚れを優しく吸引します 。ケミカルピーリングの施術プロセスとしては、まず専用のクレンジングで肌を清潔にした後にピーリング剤を均一に塗布し、数分間作用させて角質を軟化させます。その後、中和剤を用いて酸を完全に除去し、最後に徹底した保湿と鎮静ケアを行うという厳密な手順を踏みます 。
肌質改善・毛穴を引き締める再生治療(ダーマペン・フラクショナルレーザー)
汚れを取り除いた後は、長年角栓によって押し広げられてしまった毛穴を引き締め、真皮層のコラーゲンの生成を促して肌質そのものを底上げする「再生治療」が効果的です。これらの治療は、肌の自然治癒力を強力に活性化させます。
| 治療名 | 作用機序と特徴 | おすすめの症状 | |
| ダーマペン | 極細の針を使用して皮膚表面に1秒間に約1920個の微細な穴を開け、肌が持つ自然治癒力(創傷治癒過程)を利用してコラーゲンやエラスチンの生成を促進します。当院では毛穴の詰まりに特化した「CLRローション」などの薬剤を併用して導入することで、黒ずみ改善効果をさらに高めます。 | 鼻の黒ずみ、毛穴の開き、ニキビ跡、小じわの改善。 | |
| ピコレーザーフラクショナル | 高密度のピコ秒(1兆分の1秒)レーザーを照射し、皮膚の表面を傷つけることなく表皮から真皮浅層に微小な空洞(LIOB)を形成します。これにより衝撃波が周囲の組織に伝わり、細胞の再生力を活性化させます。ダウンタイムが比較的短いのが特徴です。 | 毛穴の開き、肌のハリ低下、小じわ、肌質の改善。 | |
| 炭酸ガス(CO2)フラクショナルレーザー | 水分に反応する波長のレーザーで皮膚に無数の点状の微細な穴を開け、熱エネルギーによって古い皮膚を新しい皮膚へと入れ替える非常に強力な治療です。強力な引き締め効果が期待できますが、数日間の赤みなどのダウンタイムが伴います。 | 重度の毛穴の開き、クレーター状のニキビ跡。 | |
ダーマペンなどの微細針治療は、最新の機器を使用することで、より効率的で精密な深度調整が可能となり、患者様の肌の厚みや症状に合わせて最適なアプローチが可能です 。これらの治療は、1回の施術で完結するものではなく、肌のターンオーバーのサイクルに合わせて月に1回程度の頻度で、約5回程度継続して受けることで、徐々に毛穴の引き締め効果や肌質の改善を実感しやすくなります 。
薬剤注入・内服薬による根本的な皮脂・肌質コントロール
外部からの物理的なアプローチに加えて、真皮層への直接的な栄養補給や、体内からのアプローチも、頑固ないちご鼻に対しては非常に有効な選択肢となります。
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リジュラン注射(ポリヌクレオチド注入):サーモンから抽出された有効成分であるポリヌクレオチド(PN)を皮下に直接注入する治療です。細胞レベルで肌の自己再生力を高め、表皮と真皮の内部構造から肌質を根本的に整えることで、毛穴の開きやキメの乱れを改善するエイジングケア治療です。ダウンタイムも少なく、ハリと弾力の回復に優れています。費用は約30,350円程度です。
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ジュベルックなどの肌質改善注入治療:近年では、ポリ乳酸(PDLLA)を主成分とするジュベルックなどの注入治療が、毛穴トラブルの根本にある肌質そのものの改善を目的として、選択肢として組み合わされるケースも増えています。ニキビ跡や毛穴の引き締めに効果的です。
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イソトレチノインの内服治療:重度の皮脂過剰によって引き起こされる黒ずみや難治性のニキビに対しては、専門医の判断のもと、ビタミンA誘導体である「イソトレチノイン」の内服薬が処方されることがあります。この薬剤は、皮脂腺を強力に縮小させる作用があり、過剰な皮脂分泌を根本から長期間にわたって抑え込むことが可能です。また、細胞のターンオーバーを正常化し、毛穴の詰まりを排出する効果や、メラニンを外部へ押し出す作用もあるため、毛穴の色素沈着改善にも寄与します。
毎日のケアで変わる!鼻の黒ずみを防ぐ正しい予防方法
美容皮膚科での専門的な治療を受けて毛穴を綺麗にしたとしても、その後の毎日のスキンケアが誤っていれば、再び毛穴に角栓が詰まり、黒ずみは容易に再発してしまいます。日々の生活の中で実践できる、医学的に正しい予防方法とスキンケアの要点を解説します。
摩擦を最小限に抑える正しい洗顔とクレンジングのポイント
スキンケアの第一歩であり、最も重要なのが「洗浄」のプロセスです。いちご鼻を防ぐためには、肌のバリア機能を守りながら、不要な汚れと酸化した皮脂だけを選択的に落とすことが求められます。
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水温の適切な設定:洗顔時やクレンジングを洗い流す際の水温は、熱すぎず冷たすぎない「32〜34度程度のぬるま湯」が最適です。温度が高すぎると、肌の潤いを保つために必要な皮脂や細胞間脂質(セラミド)まで溶け出してしまい、深刻な乾燥を招きます。逆に冷水すぎると、毛穴の皮脂汚れが固まって落ちにくくなります。
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摩擦の完全な排除:クレンジングや洗顔の際は、絶対に指で肌を直接こすらないでください。洗顔料は専用のネットなどを用いてきめ細かくたっぷりと泡立て、弾力のある泡のクッションを肌の上で転がすようにして優しく洗います。クレンジング剤も、規定量をたっぷりと使用し、指の腹で滑らせるようにメイクとなじませます。
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洗浄時間の制限:洗浄成分(界面活性剤)が肌に触れている時間は、顔全体で1分以内に留めるよう意識してください。念入りに洗おうとして長時間マッサージを続けることは、肌への負担を増大させ、乾燥を引き起こす原因となります。
徹底した保湿と紫外線(メラニン)対策の重要性
洗顔後は、肌の水分が急速に蒸発していくため、直ちに保湿ケアを行う必要があります。鼻は皮脂分泌が多いため、「ベタつくから」という理由で化粧水だけで済ませたり、保湿の工程を省略したりする方がいますが、これは大きな間違いです。前述の通り、肌内部の乾燥はさらなる皮脂の過剰分泌を招くため、日頃のケアが明暗を分けます。
保湿の際は、セラミドやヒアルロン酸、アミノ酸などの水分保持能力の高い成分を含む化粧水でしっかりと水分を与え、その後、油分が気になる場合は乳液や軽いテクスチャーのジェルを薄く塗布するなどして、適切な水分・油分バランスを保つよう工夫してください。
また、紫外線によるメラニン色素の沈着(メラニン毛穴)を防ぐことも非常に重要です。鼻は顔の中で最も高く、紫外線を浴びやすい部位です。日頃から日焼け止めを欠かさず塗布し、紫外線ダメージから肌を守りましょう。スキンケアに、美白効果のある成分やビタミンC誘導体が配合されているアイテムを取り入れることで、皮脂の酸化を防ぐ強力な抗酸化作用や、メラニンの生成を抑制する効果が期待でき、いちご鼻の予防に役立ちます。
医療脱毛による産毛ケアという根本的な選択肢
日々の丁寧なスキンケアや、毛穴の汚れを除去する美容治療を行っても、どうしても鼻の黒ずみが改善しない場合、その原因は「産毛」である可能性が高いです。このケースでは、毛穴の汚れを取るアプローチではなく、毛そのものをなくすという全く異なるアプローチが必要となります。
当院のような美容皮膚科などの医療機関で提供されている「顔の医療レーザー脱毛」を受けることで、毛根のメラニン色素を選択的に破壊し、原因となっている産毛を根本から除去することができます。産毛がなくなることで、毛穴に皮脂や汚れが絡みつきにくくなり、毛穴自体が引き締まるという副次的な効果も得られます。産毛の自己処理は肌を傷つける原因となるため推奨できず、医療脱毛は毛穴が黒ずんで見える錯覚を解消し、いちご鼻を予防する非常に合理的で効果的な選択肢と言えます。
よくある質問
ハイドラフェイシャルなどの洗浄系治療は、1回でも明らかな手触りの改善や黒ずみの軽減を感じやすいですが、きれいな状態を維持し、根本的な肌質を改善していくためには、やはり定期的な施術の継続が重要になります。回数を重ねるごとに、毛穴が引き締まり、皮脂の分泌がコントロールされ、黒ずみが再発しにくい健やかな肌質へと変化していくのを実感していただけます 。
傷ついた皮膚は、体を守るための防御反応として修復の過程で硬く厚くなり(過角化)、毛穴の出口をさらに狭くしてしまいます 。その結果、以前よりもさらに強固な角栓が詰まりやすい状態を作り出してしまいます。また、無理な圧出によって毛穴が大きく開いたまま閉じなくなり、クレーター状の痕が残ったり、傷口から細菌が感染して重症の化膿性ニキビを引き起こしたりするリスクがあるため、自己流の強力なケアは絶対にお控えください 。
いちご鼻(黒ずみ)は、毛穴内部での角栓の形成や皮脂の酸化が主な要因であるため、まずはハイドラフェイスキンによる徹底した洗浄やケミカルピーリングによる角質ケア、あるいはイソトレチノイン内服などによる皮脂コントロールが治療方法となることが多いです 。
一方で、開き毛穴は皮脂分泌の過剰だけでなく、加齢や紫外線による真皮層のコラーゲン・エラスチンの減少に伴う肌の弾力低下(たるみ)が原因であることが多いため、単に汚れを取るだけでは改善しません。この場合は、真皮層のコラーゲン生成を強力に促すフラクショナルレーザーやダーマペンなどの再生治療がより適しています 。美容皮膚科では、これらを正確に鑑別し、時にはピーリングで汚れを取った後にダーマペンで引き締めるといったように、複数の治療を組み合わせて多角的なアプローチを行います。まずは専門医による正確な診断を受けることが、理想の肌への最短ルートとなります。
監修医師: うらた皮膚科 院長 浦田透
保有資格: 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
経歴:
平成23年 中京病院 研修医
平成25年 中京病院 皮膚科
平成26年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科
平成27年 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科
平成28年 名古屋大学医学部附属病院 医員
平成30年 名古屋大学医学部附属病院 病院助教
平成31年 名古屋大学医学部附属病院 助教
令和3年4月 うらた皮膚科 副院長
令和3年11月 うらた皮膚科 院長