HOME > 一般皮膚科 > やけど > 低温やけど

低温やけどは見た目だけで判断できる?
カイロ・湯たんぽによる症状と受診の目安

最終更新日:2026-10-28

カイロを貼っていた場所が赤い、湯たんぽに触れていた足に水ぶくれができた。でも、あまり痛くない――。このようなときに注意したいのが「低温やけど(低温熱傷)」です。皮膚の表面の変化が小さくても、深い部分まで傷んでいることがあり、見た目や痛みだけでは重症度を判断できません。
この記事では、低温やけどの初期症状、早めに受診したい変化、受診までの手当て、治療や予防について解説します。カイロ・湯たんぽなどの使用後に赤みが残る、水ぶくれができる、皮膚の色や感覚が変わる場合は、早めに皮膚科・形成外科へご相談ください。
 
この記事の内容
見た目と初期症状 / 受診の目安 / 応急処置 / 原因と起こりやすい状況
皮膚科での治療 / 治るまでの期間・跡 / 予防のポイント / よくある質問 / 当院へのご相談

低温やけどは見た目だけでは判断できません

低温やけどは、温かいと感じる程度のものが同じ部位に長く触れることで起こります。「低温」という名前でも、軽いやけどとは限りません。受診では皮膚の色だけでなく、熱源に触れていた状況、傷の状態、感覚、時間の経過を合わせて確認します。 [1][7]

赤いだけ・水ぶくれがない場合も注意

初めは赤みや軽いヒリヒリ感だけの場合もあります。水ぶくれが出ることもあれば、深く傷んでいても水ぶくれが目立たないことがあります。 [

皮膚の変化・症状 気をつけたいこと
赤み・ヒリヒリ感 初期にみられることがあります。見た目だけで浅いやけどと決めつけないでください。
水ぶくれ・皮むけ 皮膚の損傷が考えられます。自分でつぶしたり、皮をはがしたりせず受診しましょう。
白っぽい・褐色・黒っぽい変色 深いやけどの可能性があります。小さい範囲でも早めの診察が必要です。
痛みが少ない・感覚が鈍い 深いやけどでみられることがあります。痛みの弱さを安心材料にしないでください。

上の表は受診の判断に役立つ変化をまとめたものです。色や水ぶくれの有無だけで、やけどの深さを確定することはできません。 

痛みがないのに深いやけどのことがあります

深いやけどでは、痛みを感じる神経も傷つき、痛みや感覚が弱くなる場合があります。「あまり痛くないから大丈夫」と考え、傷の変化を放置しないことが大切です。 

翌日以降に変化が目立つこともあります

やけどの腫れや水ぶくれは、数日かけて進むことがあります。使用直後には目立たなくても、翌日以降に水ぶくれや皮膚の色の変化がはっきりする場合があります。インターネット上の初期症状の写真と似ているかどうかだけで判断せず、使用した器具と症状の経過を医師に伝えてください。

低温やけどで病院へ行く目安は?

低温やけどが疑われる場合は、範囲が小さくてもできるだけ早く受診してください。皮膚科・形成外科が相談先です。とくに、次の変化がある場合は当日中の受診を目安にしましょう。

  • 水ぶくれ、皮むけ、じゅくじゅくした傷がある
  • 皮膚が白っぽい、褐色、黒っぽくなっている
  • 触った感覚が鈍い、感覚がない
  • 赤みや腫れが続く、または広がっている
  • 一度診察を受けたあとに、色や傷の状態が変わってきた

白・黒っぽい変色や感覚の低下は、深いやけどでみられる所見です。夜間・休日などで受診先に迷う場合も、これらの変化があれば救急外来などに相談し、受診時期を確認してください。 

子ども・高齢者・糖尿病のある方は早めに相談

乳幼児や高齢者、自分で熱源から離れることが難しい方は、やけどに気づきにくいことがあります。糖尿病などで感覚が低下している方、血流が悪い方も、痛みを感じにくかったり傷が治りにくかったりするため、軽く見える場合も受診を遅らせないでください。 

救急受診や早い再診が必要な場合

やけどが広い範囲に及ぶ場合、または意識がはっきりしない・息苦しい・ぐったりしている場合は、119番に連絡してください。顔・手指・足・陰部・関節付近のやけども、見た目や動きへの影響を考えて早めの評価が必要です。 
経過中に赤みや腫れが広がる、痛みが強くなる、膿が出る、発熱するといった変化があれば、感染などの可能性があるため、予定の再診日を待たずに受診先へ連絡しましょう。

低温やけどに気づいたときの応急処置

1.カイロ・湯たんぽなどの熱源を離す

まず原因となったものを皮膚から離し、同じ場所を温め続けないようにします。衣服や靴下が皮膚に貼り付いている場合は無理にはがさず、指輪や時計などは無理なく外せるうちに外してください。 

2.受傷して間もない場合は流水で冷やす

範囲の狭いやけどで、受傷して間もない場合は、水道の流水で患部を20分程度を目安に冷やします。水ぶくれに強い水流を当てるのは避け、やさしく冷やしてください。氷や保冷剤を皮膚に直接当てないようにしましょう。 
乳幼児や高齢者、広い範囲のやけどでは、体全体が冷えすぎないよう注意します。寒がる・震える場合は冷却を中止し、保温してください。冷やす時間を確保するために、救急要請や受診を遅らせないことが大切です。 
低温やけどは、気づいた時点ですでに深く傷んでいることがあります。冷やして痛みが落ち着いても、受診は必要です。翌日以降に気づいた場合も、長時間冷やし続けて様子を見るのではなく、傷の評価を受けてください。

3.水ぶくれをつぶさず、清潔に保護する

水ぶくれは針で刺したり押したりせず、清潔なガーゼや傷にくっつきにくいパッドで軽く覆って受診します。破れてしまった場合は水道水でやさしく洗い、残った皮を無理にはがさず保護してください。
受診前に自己判断で軟膏を重ね塗りしたり、粘着面を傷に直接貼ったりすることは避けましょう。密閉するタイプの市販の絆創膏も、傷の深さや感染の有無によって適否が変わるため、低温やけどが疑われる場合は診察で確認してください。 
水ぶくれの扱いについては、やけどの水ぶくれ・破れたときの対処もご覧ください。

カイロ・湯たんぽで低温やけどが起こる理由

やけどの起こりやすさは、温度だけでなく、触れている時間、圧迫、皮膚の感覚や血流などにも左右されます。同じ場所に熱が加わり続けると、熱いと感じにくい温度でも傷むことがあります。「この温度なら何時間使っても安全」という一律の基準はありません。

カイロは衣服の上からでも長時間の接触に注意

肌に直接貼らないことに加え、同じ場所に長時間当てないことが大切です。ベルトやサポーターなどで押さえつける、カイロの上に体を乗せる、貼ったまま眠るといった使い方は避けてください。靴用など用途が指定された製品は、その用途と使用方法を守りましょう。

湯たんぽはカバーをつけても起こることがあります

厚手のカバーやタオルで包んでいても、同じ部位に長く接していると低温やけどが起こります。足元を温めた湯たんぽは、就寝前に布団から取り出してください。寝ている間に体が触れ続ける使い方を避けることが大切です。

電気毛布・電気あんか・ホットカーペットにも注意

電気毛布や電気あんか、ホットカーペットなどでも、同じ部位が温められ続けるとやけどを負うことがあります。高い温度で長時間使う、製品の上で眠るなどの使い方を避け、取扱説明書に沿って温度やタイマーを設定してください。

皮膚科ではどのように治療する?

傷の深さと経過を確認します

診察では、皮膚の状態や感覚、やけどの範囲、感染の有無などを確認します。使っていた器具、使用した時間、気づいた日時、これまでの手当てを教えてください。初回の診察だけでは深さがはっきりせず、経過を見ながら判断する場合もあります。 

洗浄・外用薬・被覆材を傷に合わせて選びます

浅いやけどでは、洗浄、外用薬、傷を保護する被覆材などを組み合わせます。滲み出る液の量や感染の有無によって、適した薬や保護材、交換の方法が変わります。家庭でのケアや再診の間隔は、診察時の指示に沿ってください。 
薬の役割については、やけどの薬・ワセリンの使い方で詳しく解説しています。

深いやけどでは手術が必要な場合があります

皮膚の深くまで傷んでいる場合は、壊死した組織を取り除く処置や、皮膚を移植する手術などが必要になることがあります。すべての低温やけどに手術が必要なわけではありませんが、小さい傷でも深さによって治療が長引くことがあります。必要に応じて専門的な治療につなげます。

低温やけどは何日で治る?跡は残る?

治るまでの期間は、やけどの深さで変わります

浅いやけどでは1~2週間程度で傷がふさがる場合があります。一方、深いやけどでは1か月以上かかることがあり、手術やさらに長い治療が必要な場合もあります。これは一般的な目安で、低温やけどが一律に1~2週間で治るという意味ではありません。 
痛みがなくなっても、傷が治ったとは限りません。傷がふさがるまでと、その後に残る赤みや色素沈着が落ち着くまでには、時間の差があることにも注意しましょう。

色素沈着・盛り上がった傷跡・ひきつれ

やけどのあとに赤みや茶色い色素沈着が残ることがあります。深いやけどでは、傷跡が盛り上がる肥厚性瘢痕や、皮膚が引きつれる瘢痕拘縮が生じる場合もあります。 
傷がふさがったあとは、こすらずにケアし、衣服などで紫外線を避けましょう。日焼け止めや傷跡の治療を始める時期は、皮膚の状態に応じて相談してください。傷跡の盛り上がり、つっぱり、関節の動かしにくさが続く場合も再診が必要です。

低温やけどを防ぐためのポイント

  • カイロは肌に直接当てず、就寝時に使わない。
  • 同じ部位を長時間温めず、カイロや暖房器具の上に体重をかけない。
  • 湯たんぽは布団を温めたら、寝る前に取り出す。
  • 電気あんかは就寝前に電源を切り、体に触れ続けないようにする。
  • 電気毛布などは取扱説明書に沿って使い、高い温度での長時間使用を避ける。
  • 自分で熱源から離れにくい方や感覚が低下している方は、家族・介助者も使い方を確認する。

「熱く感じない」「カバーがある」ことだけで安全とは判断できません。違和感や赤みがあれば使用をやめ、皮膚の状態を確認してください。

低温やけどについてよくある質問

Q
赤いだけなら、病院に行かずに様子を見てもよいですか?

A
赤みだけで深さを判断することはできません。カイロ・湯たんぽなどを長時間使ったあとに赤みが残っている場合は、低温やけどの可能性を考えて早めに相談してください。水ぶくれや色の変化が出るまで待つ必要はありません。
 

Q
痛みがない低温やけどもありますか?

A
あります。深いやけどでは痛みや感覚が弱くなることがあります。白っぽい・黒っぽい変化、感覚の鈍さがあるときは、痛みが少なくても受診してください。
 

Q
水ぶくれができたら、自分でつぶした方が早く治りますか?

A
自分ではつぶさないでください。傷を広げたり感染につながったりするおそれがあります。大きさや場所によっては医師が処置することもありますが、家庭では保護し、処置の必要性を診察で判断します。
 

Q
翌日になって気づきました。今から受診してもよいですか?

A
気づいた時点で受診してください。
低温やけどは、受傷2週間後から変化が目立つこともあります。すでに時間がたっていても、傷の深さや感染の有無を確認し、必要な治療を受けることが大切です。
 

Q
市販薬やワセリンだけで治せますか?

A
傷の深さによって必要な治療は異なります。市販薬やワセリンを塗ることだけでは、深いやけどや感染への対応にならない場合があります。低温やけどが疑われるときは、自己判断で塗り続ける前に診察を受けてください。
 

Q
何科にかかればよいですか?

A
皮膚科・形成外科へご相談ください。広い範囲、深いやけどが疑われる場合や全身状態が悪い場合は、救急外来や専門的な治療ができる病院での対応が必要です。

名古屋市南区で低温やけどにお悩みの方へ

カイロ・湯たんぽなどを使ったあとに赤みが残る、水ぶくれができた、皮膚が白っぽい・黒っぽいなどの変化がある方は、うらた皮膚科へご相談ください。痛みが少なくても、早い段階で傷の状態を確認することが大切です。
当院では、やけどの状態を確認し、深さや広さに合わせて治療方針を検討します。深いやけどや手術が必要と考えられる場合は、専門的な治療をご案内します。やけど全般については、やけどの症状・治療・応急処置もご覧ください。
初めての方も、当日WEB順番受付または直接来院で受診できます。受付方法と最新の診療時間は、下記の案内をご確認ください。

≪監修者プロフィール≫
執筆・監修: うらた皮膚科 院長 浦田透
保有資格: 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
経歴:
平成23年 中京病院 研修医
平成25年 中京病院 皮膚科
平成26年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科
平成27年 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科
平成28年 名古屋大学医学部附属病院 医員
平成30年 名古屋大学医学部附属病院 病院助教
平成31年 名古屋大学医学部附属病院 助教
令和3年4月 うらた皮膚科 副院長
令和3年11月 うらた皮膚科 院長
シミ外来予約