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おしりのできものが痛い・繰り返す|毛嚢炎・粉瘤などの違いと治療

最終更新日:2026-10-17

「おしりにニキビのようなものができて、座ると痛い」「皮膚の下に硬いしこりがある」「いったん治ったのに、同じ場所がまた腫れる」。おしりのできものは、ご自身では見えにくく、相談をためらいやすい症状です。
おしりのできものは、すべてがニキビではありません。 毛穴の炎症である毛嚢炎、皮膚の下に袋ができる粉瘤、腫れや膿を繰り返す化膿性汗腺炎など、原因によって治療が変わります。肛門の近くでは、肛門周囲膿瘍や痔瘻との区別も必要です。

まずは「できている場所」「痛みや膿の有無」「同じ場所に繰り返すか」を確認しましょう。このページでは、考えられる病気と受診の目安、皮膚科での治療を解説します。

おしりのできものは何科?皮膚科と肛門科の選び方
症状・できる場所から考える主な原因
おしりのできもので考えられる病気
同じ場所に繰り返すときは、原因の確認が大切です
皮膚科で行う診察・検査と治療
自分で潰さないでください|膿や血が出たときの対処
悪化を防ぐために気をつけたい生活習慣
おしりのできものについて、よくある質問
名古屋市南区でおしりのできものを相談するなら、うらた皮膚科へ

おしりのできものは何科?皮膚科と肛門科の選び方

おしりの皮膚にできた赤いぶつぶつや、皮膚の下のしこりは、まず皮膚科にご相談ください。 毛嚢炎・粉瘤・化膿性汗腺炎などが診療の対象です。
一方、肛門のすぐ近くが腫れて痛む、肛門の奥がズキズキする、肛門のそばから膿が出る場合は、肛門科・大腸肛門外科が適しています。 肛門周囲膿瘍は、皮膚表面の腫れが目立たなくても、深い場所に膿がたまっていることがあります。
次の症状がある場合は、当日中の受診を検討してください。
座れないほど痛い、痛みが強くなっている、赤みや腫れが急に広がる。
発熱・悪寒がある、できものだけでなく体調も悪い。
肛門の近くが強く腫れる、肛門の奥に強い痛みがある。
糖尿病のある方や免疫を抑える治療中の方は、小さなできものでも早めにご相談ください。急激に悪化し、強い痛みや全身の不調を伴うときは、夜間・休日でも救急外来を受診してください。

症状・できる場所から考える主な原因

見た目が似ていても、原因は異なります。下の表は受診先を考えるための目安であり、見た目や写真だけで病名を確定するものではありません。

症状・場所の目安 考えられる病気 確認したい特徴
毛穴に一致した小さな赤いぶつぶつ 毛嚢炎(毛包炎) 先端に白い膿が見えることがある
赤く盛り上がり、強く痛むおでき せつ・皮膚膿瘍 毛穴の感染が深く広がり、膿がたまる
皮膚の下の丸いしこり 粉瘤 以前からしこりがあり、急に腫れることもある
同じ場所や近くで、しこり・膿を繰り返す 化膿性汗腺炎など 複数のできもの、傷あと、膿の出口がある
おしりの割れ目の上部・尾骨付近が腫れる 毛巣洞 小さな穴から膿や血が出ることがある
肛門のすぐ近くが腫れる・奥が痛む 肛門周囲膿瘍・痔瘻など 肛門科・大腸肛門外科での評価が必要

おしりのできもので考えられる病気

毛嚢炎・せつ|ニキビに似た赤いぶつぶつやおでき

毛嚢炎(もうのうえん)は、毛の根元を包む毛包に炎症が起こる病気で、毛包炎とも呼ばれます。毛穴に沿った赤いぶつぶつや小さな膿ができ、かゆみや軽い痛みを伴うことがあります。見た目がニキビに似ていても、同じ治療とは限りません。
汗による蒸れ、下着や衣服の摩擦、剃毛などで毛穴の周囲が傷つくと、細菌が入り込みやすくなります。感染が毛穴の深い部分や周囲に及び、痛いしこりになったものは「せつ」と呼ばれます。膿がたまった状態では、薬だけでなく、膿を出す処置が必要になることがあります。

粉瘤|以前からあるしこりが、急に赤く腫れて痛む

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質などがたまる良性のできものです。普段は痛みのない丸いしこりとして触れ、表面に黒い点のような開口部が見えることもあります。
袋が破れて内容物が周囲を刺激したり、細菌感染が加わったりすると、赤く腫れて痛む「炎症性粉瘤」になります。赤く腫れた粉瘤が、すべて細菌感染によるものとは限りません。
膿や内容物が出て小さくなっても、袋が残っていれば再び腫れることがあります。袋ごと取り除く手術と、痛みを和らげるために内容物を出す処置は、目的が異なります。
→ 粉瘤の症状・日帰り手術について詳しく見る

化膿性汗腺炎|同じ場所や近くに、しこり・膿を繰り返す

おしりに痛いしこりが何度もできる、いくつもの場所から膿が出る、治った後に硬い傷あとが残る場合は、化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)も考えます。
毛穴の詰まりなどに関連する慢性の炎症性疾患で、おしりのほか、わきや足の付け根などにも生じます。進行すると、皮膚の下にトンネル状の通り道ができ、そこから膿が出続けることがあります。
「いつものおでき」と考えて、膿が出るたびに様子を見続けないことが大切です。 単なる不潔さが原因の病気ではなく、洗い方だけで解決できるものではありません。早い段階で診断し、炎症を抑える治療を続けることが重要です。

毛巣洞|おしりの割れ目の上部にできる、腫れや小さな穴

毛巣洞(もうそうどう)は、おしりの割れ目の上部、尾骨付近に生じる病気です。皮膚の中に入り込んだ毛などが関係し、小さな穴や通り道をつくります。炎症を起こすと腫れて痛み、膿や血が出ることがあります。
肛門のすぐ近くにできる痔瘻とは異なる病気ですが、ご自身での判断は難しいことがあります。膿がたまっている場合や再発を繰り返す場合には、切開排膿や手術を検討します。診察のうえ、必要に応じて外科・形成外科などで治療します。

肛門周囲膿瘍・痔瘻|肛門の近くの痛みや膿に注意

肛門周囲膿瘍は、肛門の内側の小さなくぼみから細菌が入り、肛門周囲に膿がたまる病気です。膿が出た後などに、肛門の内側と皮膚をつなぐ通り道が残ると、痔瘻になることがあります。
肛門の近くの腫れや痛み、繰り返す膿の排出が特徴です。ニキビ用の薬や痔の軟膏で様子を見るのではなく、肛門科・大腸肛門外科で原因を確認しましょう。 膿がたまっている場合には、早めに排膿が必要になることがあります。

同じ場所に繰り返すときは、原因の確認が大切です

繰り返す原因は、蒸れや摩擦だけではありません。粉瘤の袋が残っている、化膿性汗腺炎の炎症が続いている、毛巣洞や痔瘻の通り道が残っているなど、治療が必要な原因が隠れていることがあります。 [4,8,11,13]
受診時には、「いつから」「何回くらい」「毎回同じ場所か」「膿が出るか」「わきや足の付け根にもできるか」をお伝えください。腫れているときと治まっているときの写真があれば、経過を説明する助けになります。
繰り返す皮膚の膿瘍では、必要に応じて膿の細菌検査を行い、原因菌に合う治療を検討します。以前の薬を自己判断で繰り返し使うのではなく、再発の原因に合わせて治療を選びましょう。 [

皮膚科で行う診察・検査と治療

診察では、できものの場所・数・大きさ、毛穴や開口部、傷あとの有無を確認し、触って深さや膿のたまり方を評価します。しこりの状態に応じて超音波検査などを行い、切除した組織を病理検査で確認することもあります。すべての方に、すべての検査が必要なわけではありません。

塗り薬・飲み薬による治療

細菌性の毛嚢炎などでは、症状の範囲や深さに合わせて抗菌薬を使うことがあります。軽い症状では、摩擦や蒸れを避けることで改善する場合もあります。薬の種類・使用期間は診断に応じて決めます。

膿がたまっている場合の切開排膿

痛みの強い膿瘍や炎症性粉瘤では、局所麻酔などを行い、小さく切開して膿や内容物を出す処置を検討します。飲み薬だけでは十分に改善しないことがあります。抗菌薬を併用するかは、発熱や周囲の炎症、持病などを踏まえて判断します。 

粉瘤の袋を取り除く手術

粉瘤では、症状や繰り返し方に応じて袋を取り除く手術を検討します。炎症が強い場合には、まず排膿などを行い、落ち着いてから摘出することがあります。一方、症状のない小さな粉瘤は、診断のうえ経過観察を選ぶ場合もあります。

化膿性汗腺炎など、繰り返す病気の治療

化膿性汗腺炎では、重症度に応じて塗り薬・飲み薬、生物学的製剤、外科的治療などを検討します。毎回膿を出すだけでなく、新しい炎症を抑える方針が必要です。専門的な治療を要する場合は、対応する医療機関と連携します。 [

自分で潰さないでください|膿や血が出たときの対処

指で強く押す、針を刺す、何度も膿を絞り出すことは避けてください。 皮膚を傷つけたり、炎症や感染を悪化させたりするおそれがあります。粉瘤は内容物だけを出しても、袋が残ることがあります。 [4,6,10]
自然に潰れて膿や血が出た場合は、まず手を洗い、患部と周囲を流水でやさしく洗って、清潔なガーゼなどで保護してください。ガーゼが濡れたり汚れたりしたら交換し、残った内容物を無理に押し出さないようにしましょう。 [6]
膿が出て痛みが軽くなっても、原因が治ったとは限りません。 しこりが残る、再び腫れる、膿や出血が続く場合は受診してください。赤みが広がる、発熱する、痛みが増す場合は早めの診察が必要です。 [4,7,13]

悪化を防ぐために気をつけたい生活習慣

汗をかいた後は着替え、締め付けや縫い目が患部に当たりにくい下着を選びましょう。長時間座って痛みや摩擦が増えるときは、姿勢を変えたり休憩を挟んだりして、患部への負担を減らしてください。
洗うときはこすらず、やさしく洗浄します。「汚れを落とせば治る」と考えて、スクラブや硬いタオルでこする必要はありません。炎症のある場所の剃毛や毛抜きも控えましょう。
ただし、こうしたケアだけで粉瘤の袋や痔瘻の通り道がなくなるわけではありません。生活習慣を見直しても繰り返す場合は、病気に合わせた治療を受けることが大切です。

よくある質問

Q
おしりのできものは自然に治りますか?

A
軽い毛嚢炎などは、刺激を避けることで自然に改善する場合があります。一方、粉瘤や化膿性汗腺炎、痔瘻などは、一時的に腫れが引いても原因が残ることがあります。痛みが強い、しこりが残る、同じ場所に繰り返す場合はご相談ください。
 

Q
市販のニキビ薬や化膿止めで治せますか?

A
原因によって異なります。ニキビに似ていても、粉瘤や深い膿瘍、肛門周囲の病気には市販の塗り薬だけで対応できません。大きな腫れや強い痛み、繰り返すしこりがある場合は、薬を塗って長く様子を見るのではなく、先に診断を受けてください。
 

Q
痛くないしこりも受診した方がよいですか?

A
痛みのない粉瘤や脂肪腫などもあります。すべてに手術が必要なわけではありませんが、初めて気づいたしこり、徐々に大きくなるもの、硬くて動きにくいもの、長く残るものは、皮膚科で確認しましょう。痛みの有無だけでは良性かどうかを判断できません。
 

Q
女性でもできますか?診察が恥ずかしいです。

A
おしりのできものは、女性にも生じます。「恥ずかしい」「見せるのが不安」という場合は、受付や問診の際にお伝えください。診察方法や医師について希望がある方は、受診前にご相談ください。
 

Q
手術後はすぐに座ったり、仕事をしたりできますか?

A
できものの場所や大きさ、切開だけか摘出手術か、傷を縫ったかなどで異なります。おしりは座ると傷に力がかかるため、デスクワーク・運転・自転車などの予定を診
 

名古屋市南区でおしりのできものを相談するなら、うらた皮膚科へ

うらた皮膚科では、皮膚科専門医がしこりや皮膚のできものを診察し、症状に合わせて治療をご提案します。粉瘤については、くり抜き法や切除による日帰り手術を行っています。
診察のうえ、適応があれば受診当日の処置・手術もご相談いただけます。 ただし、部位・大きさ・炎症の程度や診療状況によっては、後日の手術や他の医療機関へのご紹介になる場合があります。肛門周囲膿瘍・痔瘻が疑われるときは、肛門科などでの診療が必要です。
病気の診察・治療は原則として保険診療で行います。費用は診断、検査、処置の内容や自己負担割合によって異なります。初めての方もWEB順番受付をご利用いただけます。
「粉瘤かニキビかわからない」「同じ場所に何度もできる」という段階でも、ご相談ください。マイナ保険証または資格確認証、お薬手帳などをお持ちください。
→ 初めて受診する方へ・WEB順番受付のご案内

≪監修者プロフィール≫
執筆・監修: うらた皮膚科 院長 浦田透
保有資格: 日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医
経歴:
平成23年 中京病院 研修医
平成25年 中京病院 皮膚科
平成26年 名古屋大学医学部附属病院 皮膚科
平成27年 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科
平成28年 名古屋大学医学部附属病院 医員
平成30年 名古屋大学医学部附属病院 病院助教
平成31年 名古屋大学医学部附属病院 助教
令和3年4月 うらた皮膚科 副院長
令和3年11月 うらた皮膚科 院長
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